[SY6-1] 高齢者対応型病院歯科普及の必要性と、回復期病床を持つ病院での歯科の果たすべき役割
【略歴】
大野 友久(おおの ともひさ)
1973年8月30日生まれ
1998年3月 東京医科歯科大学歯学部 卒業
1998年4月 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 入学
2002年3月 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 卒業
2001年8月 聖隷三方原病院リハビリテーション科歯科 勤務
2008年4月 聖隷三方原病院歯科 部長
2015年2月 国立長寿医療研究センター 勤務
2017年4月 国立長寿医療研究センター 室長
2019年9月 浜松市リハビリテーション病院歯科 部長 現在に至る
日本老年歯科医学会 理事 代議員 指導医 専門医 認定医 摂食機能療法専門歯科医師
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 評議員 認定士
大野 友久(おおの ともひさ)
1973年8月30日生まれ
1998年3月 東京医科歯科大学歯学部 卒業
1998年4月 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 入学
2002年3月 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 卒業
2001年8月 聖隷三方原病院リハビリテーション科歯科 勤務
2008年4月 聖隷三方原病院歯科 部長
2015年2月 国立長寿医療研究センター 勤務
2017年4月 国立長寿医療研究センター 室長
2019年9月 浜松市リハビリテーション病院歯科 部長 現在に至る
日本老年歯科医学会 理事 代議員 指導医 専門医 認定医 摂食機能療法専門歯科医師
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 評議員 認定士
人生100年時代を迎えている現在、また高齢社会がピークを迎える2040年を見据えて、老年歯科医学的対応を実践する病院歯科の普及が必要である。高齢者は重篤な疾患に罹患し入院する機会が多くなる。入院が必要な全身状態だと口腔の環境も変化するため、口腔の管理を必要とする入院高齢者は多い。そこで入院高齢患者の口腔にいち早く病院歯科が関わり、口腔内環境を維持・改善することは、患者のその後の生活に大きな影響を与える。病院歯科は、高齢者の口腔管理における重要な鍵を握っていると言ってよいだろう。しかし、そもそも歯科がない病院は多く、また病院に歯科があっても一般的には口腔外科が多い。もちろん口腔外科も必要だが、社会情勢から観て高齢者対応型病院歯科の普及も必要である。その普及には、病院歯科で実際に働く歯科医師だけでなく、地域の歯科医院や行政も含めて考えていくべきである。
ライフステージによって高齢者が入院する病院は異なるが、どのステージにおいても病院歯科は高齢者の口腔の転換期という要所に関わることができる。急性期における歯科の関わりは発展してきており、関連するキーワードは、人工呼吸器関連肺炎・誤嚥性肺炎と口腔衛生管理、そして現在ではがん治療にとどまらず、脳卒中や整形外科疾患までその適応範囲を拡大した周術期口腔機能管理が挙げられるだろう。また、慢性期・維持期、終末期に関与する在宅診療や施設訪問、すなわち訪問歯科診療も数十年前より発展してきている。いずれも医学的・社会的ニードがあることはもちろんであるが、特別な診療報酬が設定されており、それも発展に寄与していると思われる。
しかし、回復期の病院歯科は十分評価されておらず、特別な診療報酬の設定はない。回復期は主に、急性期を経て地域に帰っていく患者がリハビリテーションを実施するステージで、周術期口腔機能管理と訪問歯科診療の狭間に位置している。急性期で管理された患者の口腔を引き継ぎ、回復期においても歯科が適切に口腔を管理することは、リハビリテーションの円滑な遂行や栄養摂取状況の改善、誤嚥性肺炎の予防などに必要である。さらに、その後に続く自宅退院後の地域医療、あるいは慢性期の施設に適切に引き継ぐことも重要な役割である。また、それらの患者は歯科処置実施の際、リスクがやや高いため、地域の歯科診療所では十分な対応が困難な場合も多い。そこで、回復期病院入院中にできるかぎり口腔環境を整えておき「管理しやすい口腔にして地域に送り出す」観点も回復期の歯科にとって重要と考える.その観点を重視し、当院では浜松市歯科医師会と協力して退院後の連携システムを構築し、その活動の輪を他病院にも広げているところである。
当日は、高齢者対応型病院歯科の普及の必要性について、また連携システムの概要を通して回復期病床を持つ病院での歯科の果たすべき役割についてお話する予定である。
ライフステージによって高齢者が入院する病院は異なるが、どのステージにおいても病院歯科は高齢者の口腔の転換期という要所に関わることができる。急性期における歯科の関わりは発展してきており、関連するキーワードは、人工呼吸器関連肺炎・誤嚥性肺炎と口腔衛生管理、そして現在ではがん治療にとどまらず、脳卒中や整形外科疾患までその適応範囲を拡大した周術期口腔機能管理が挙げられるだろう。また、慢性期・維持期、終末期に関与する在宅診療や施設訪問、すなわち訪問歯科診療も数十年前より発展してきている。いずれも医学的・社会的ニードがあることはもちろんであるが、特別な診療報酬が設定されており、それも発展に寄与していると思われる。
しかし、回復期の病院歯科は十分評価されておらず、特別な診療報酬の設定はない。回復期は主に、急性期を経て地域に帰っていく患者がリハビリテーションを実施するステージで、周術期口腔機能管理と訪問歯科診療の狭間に位置している。急性期で管理された患者の口腔を引き継ぎ、回復期においても歯科が適切に口腔を管理することは、リハビリテーションの円滑な遂行や栄養摂取状況の改善、誤嚥性肺炎の予防などに必要である。さらに、その後に続く自宅退院後の地域医療、あるいは慢性期の施設に適切に引き継ぐことも重要な役割である。また、それらの患者は歯科処置実施の際、リスクがやや高いため、地域の歯科診療所では十分な対応が困難な場合も多い。そこで、回復期病院入院中にできるかぎり口腔環境を整えておき「管理しやすい口腔にして地域に送り出す」観点も回復期の歯科にとって重要と考える.その観点を重視し、当院では浜松市歯科医師会と協力して退院後の連携システムを構築し、その活動の輪を他病院にも広げているところである。
当日は、高齢者対応型病院歯科の普及の必要性について、また連携システムの概要を通して回復期病床を持つ病院での歯科の果たすべき役割についてお話する予定である。