The 33rd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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認定医審査ポスター

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認定医審査ポスター1

Fri. Jun 10, 2022 3:15 PM - 4:45 PM 認定医審査ポスター1 (りゅーとぴあ 2F スタジオAホワイエ)

[認定P-01] アルツハイマー型認知症の超高齢者に対して口腔健康管理を行いQOLが改善した1症例

○名城 嗣麿1、平塚 正雄2 (1. 医療法人 堅勇会 たけしま歯科・小児歯科、2. 医療法人 博仁会 福岡リハビリテーション病院)

【目的】
 われわれは、転倒し骨折・入院をきっかけに認知症が進み、口腔衛生状態不良・義歯不適合による食事摂取困難となった104歳の超高齢者に対し、歯科介入を行ったことで咀嚼機能の改善とQOL向上を認めた1例を経験したので報告する。
【症例の概要と処置】
 104歳、男性、下の義歯が外れないため家族同伴で来院。家族より新義歯製作と口腔衛生状態の改善を希望された。2016年に転倒して骨折し,入院加療をきっかけに認知症が進行した。
既往歴は高血圧症,狭心症,ペースメーカー装着およびアルツハイマー型認知症があり、口腔衛生状態は不良で残存歯にう蝕と中等度歯周炎を認め,義歯不適合による食事摂取困難を疑った。全身状態はBP:133/65、PR:60、 SPO2:97%。現在歯は12歯(上顎右側65・上顎左側17、下顎右側41・下顎左側123457),義歯不適合: 上顎右側74321・上顎左側23456、下顎右側76532。
 抜歯適応部位は、大学病院歯科口腔外科と連携して行い、当院では歯周基本治療,口腔衛生管理および義歯修理,新義歯製作を含む口腔健康管理を実地した。義歯装着後も歯科衛生士による口腔衛生管理を継続し、本人による義歯着脱は困難な時もあるため家族やデイサービススタッフの介助により義歯管理を行った。口腔衛生状態は比較的良好に維持されている。
【結果と考察】
 アルツハイマー型認知症では症状の進行による口腔衛生のためのセルフケアや義歯管理が困難になりやすい。 よって,家族や介護者との情報共有と口腔健康管理のための協働が大切になる.特に超高齢者では複数の基礎疾患の合併や予備力の低下などにより,高次医療機関との連携も必要になる。今回,循環器疾患と認知症のある超高齢患者において,咀嚼機能の回復を含む口腔機能管理によりQOLの向上に貢献することができた。今後,将来を見据えた口腔健康管理に努めていく予定である。
患者の娘に発表の同意を得ております。
COI開示:なし 倫理審査対象外