[摂食更新P-13] 急性期病院高齢診療科入院患者に対するオーラルフレイルラウンドの取り組み
【目的】
東京都健康長寿医療センター病院部門は急性期病院(550床)で、27診療科から構成されている。入院患者数は約10,000から13,000人/年を推移している。高齢者は複数の疾患を併せ持ち、若年者とは生理的にも大きな相違がある。そのため高齢者診療では、臓器別、領域別でなくより包括的また全人的な診療が求められる。以上を踏まえ当センターでは令和2年より高齢診療科が発足し、以下の点を主眼として運営を行っている。①併存する複数症状の原因について精査し、専門的治療の必要性の有無を確認し適宜専門診療科と連携し対応する。②内服治療の継続性(コンプライアンス)を確認し、ポリファーマシー対策も含め個々の特性に合った対応を行う。③心身のみでなく、精神、心理、生活機能、社会環境などの面からも評価し、フレイル予防対策も含め対応する。④医療や介護関する必要な情報を提供し、多職種で協働し療養環境を調整する。令和3年4月より、高齢診療科入院療養中の口腔機能および摂食嚥下機能低下リスクの軽減を目的にオーラルフレイルラウンドを開始したのでその概要を報告する。
【取り組みの概要】
高齢診療科新規入院患者に対するオーラルフレイルラウンドを、毎週水曜日午後、歯科医師2名(歯科研修医1名含む)、歯科衛生士1名の人員構成で実施している。評価項目は、口腔機能低下症評価項目、嚥下機能(改定水飲みテスト)等である。さらに、既往歴、服薬歴、入院経緯、さらに入院時の医師、看護師などによる評価(血液検査、四肢筋肉量、食品多様性、日本版CHS基準、サルコペニア(AWGS 2019診断アルゴリズム)、認知機能(MMSE-J、DASC21)など)情報も併せ、精査が必要な際は嚥下内視鏡検査などを実施している。以上の評価結果を踏まえ、摂食嚥下機能などを含めた入院療養中および退院に向けた対応を、対象患者に関わる多職種で検討し実施している。
【今後の展望】
急性期病院の特性上、入院期間が限定され包括的評価を踏まえた摂食嚥下機能などへの対応フードバックの迅速さが求められる。今後、集積した評価データを解析し、その結果 (入院期間、入院療養予後に影響する項目など) を高齢診療科に携わる医師、看護師などと共有し、より効果的なフィードバックシステムを検討していく予定である。
(COI開示:なし)(倫理審査対象外)
東京都健康長寿医療センター病院部門は急性期病院(550床)で、27診療科から構成されている。入院患者数は約10,000から13,000人/年を推移している。高齢者は複数の疾患を併せ持ち、若年者とは生理的にも大きな相違がある。そのため高齢者診療では、臓器別、領域別でなくより包括的また全人的な診療が求められる。以上を踏まえ当センターでは令和2年より高齢診療科が発足し、以下の点を主眼として運営を行っている。①併存する複数症状の原因について精査し、専門的治療の必要性の有無を確認し適宜専門診療科と連携し対応する。②内服治療の継続性(コンプライアンス)を確認し、ポリファーマシー対策も含め個々の特性に合った対応を行う。③心身のみでなく、精神、心理、生活機能、社会環境などの面からも評価し、フレイル予防対策も含め対応する。④医療や介護関する必要な情報を提供し、多職種で協働し療養環境を調整する。令和3年4月より、高齢診療科入院療養中の口腔機能および摂食嚥下機能低下リスクの軽減を目的にオーラルフレイルラウンドを開始したのでその概要を報告する。
【取り組みの概要】
高齢診療科新規入院患者に対するオーラルフレイルラウンドを、毎週水曜日午後、歯科医師2名(歯科研修医1名含む)、歯科衛生士1名の人員構成で実施している。評価項目は、口腔機能低下症評価項目、嚥下機能(改定水飲みテスト)等である。さらに、既往歴、服薬歴、入院経緯、さらに入院時の医師、看護師などによる評価(血液検査、四肢筋肉量、食品多様性、日本版CHS基準、サルコペニア(AWGS 2019診断アルゴリズム)、認知機能(MMSE-J、DASC21)など)情報も併せ、精査が必要な際は嚥下内視鏡検査などを実施している。以上の評価結果を踏まえ、摂食嚥下機能などを含めた入院療養中および退院に向けた対応を、対象患者に関わる多職種で検討し実施している。
【今後の展望】
急性期病院の特性上、入院期間が限定され包括的評価を踏まえた摂食嚥下機能などへの対応フードバックの迅速さが求められる。今後、集積した評価データを解析し、その結果 (入院期間、入院療養予後に影響する項目など) を高齢診療科に携わる医師、看護師などと共有し、より効果的なフィードバックシステムを検討していく予定である。
(COI開示:なし)(倫理審査対象外)