The 33rd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(口演発表)

一般演題(口演発表) » [一般口演1] 実態調査

一般口演1 実態調査

Sat. Jun 11, 2022 8:50 AM - 9:50 AM 第3会場 (りゅーとぴあ 2F スタジオA)

座長:會田 英紀(北海道医療大学歯学部生体機能・病態学系高齢者・有病者歯科学分野)

[O1-05] ターミナルケアと歯科医療についてのDVD教材を用いた啓発

○小向井 英記1,2,3、今井 裕子2、東浦 正也1,2、中嶋 千惠2、福辻 智1,2、溝上 裕久1、平山 隆浩1、髙橋 一也3 (1. 一般社団法人 奈良県歯科医師会、2. 医療法人 小向井歯科クリニック、3. 大阪歯科大学高齢者歯科学講座)

【目的】
 奈良県歯科医師会では啓発用ツールを作成して、歯科医療職がターミナルケアに積極的に関わることを促すとともに他職種にも歯科の役割を理解してもらうために、DVDを制作、配布し、視聴前後でアンケート調査を実施して現状の把握と、その啓発効果を確認した。
【方法】
 対象は当会会員674名及び県内のターミナルケア・終末期医療を実施している医療・介護施設148施設の所属スタッフ296名とし、対象にアンケート調査票をDVD視聴の前後で2回送付した。その中で回答の返信のあったものについて、その内容の把握を行った。なお設問は、①ターミナルケアという言葉の認知、②その内容の理解、 ③エンゼルケアという言葉の認知、④その内容の理解、⑤ターミナルケアやエンゼルケアへの関与情況、⑥歯科医療職の関与の必要性の意識、⑦関与への意欲⑧ターミナルケアにおける歯科の役割についての知識、⑨その知識の向上意欲、⑩ターミナルケアに積極的に関わる意欲を問う10項目とし、対象者について歯科医師である当会会員と他職種である外部施設スタッフのアンケート調査結果の内容の比較を行った。
【結果と考察】
 DVD視聴前の歯科医師と他職種に対する各設問の回答の比較では⑥⑧以外の項目で職種間の差を認め、DVD視聴後では全設問において職種間の差を認めた。また歯科医師のDVD視聴前後での回答の変化では設問③④⑧で大きく改善方向に変化し、他職種では設問⑥⑧で大きく改善方向に変化した。更に各設問でDVD視聴前後での回答の差を変化度として数値化した両職種の比較では、設問③④⑥⑦で歯科医師の方が大きく改善方向に変化した。 今回の結果から、歯科医師のDVD視聴はターミナルケアへの理解や歯科関与の必要性の意識や意欲を高め、歯科がターミナルケアに積極的に関わることを促す一助になると考えられた。また、医師、看護師、介護職のDVD視聴は歯科との関わりを啓発するといった点で有意義なものであると考えられた。
(COI 開示:なし)
(倫理審査対象外)