一般社団法人日本老年歯科医学会 第33回学術大会

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一般演題(口演発表)

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一般口演10 口腔機能4

2022年6月12日(日) 14:45 〜 15:25 第3会場 (りゅーとぴあ 2F スタジオA)

座長:津賀 一弘(広島大学大学院医系科学研究科先端歯科補綴学)

[O10-04] 歌唱中の音声・画像からの構音・嚥下機能の分類

○平井 雄太1、耿 世嫻1、柳田 陵介2、山田 大志2、小野寺 宏1、戸原 玄2、矢谷 浩司1 (1. 東京大学 工学系研究科、2. 東京医科歯科大学 摂食嚥下リハビリテーション学分野)

【目的】
モバイル端末を用いた歌唱による構音・嚥下機能の評価に向けて,歌唱中の音声・画像を用いた構音・嚥下機能の分類性能を確認した.
【方法】
オンライン上で収集した実験参加者99名(男性75名,37.8±10歳),区民センターで募集した実験参加者75名(男性39名,73.1±6歳),並びに東京医科歯科大学 摂食嚥下リハビリテーション学分野にて外来を受診した65歳以上の9名(男性2名,79.8±8歳)を対象とした.年齢,性別,オーラルディアドコキネシス(pa,ta,ka,ra)の発音回数,EAT-10のスコア,童謡「ふるさと」歌唱中の音声と画像を収集した.その後,音声・画像を特徴づける様々な数値(特徴量)を収集した音声・画像から計算し,変数増減法によるロジスティック回帰分析により有用な特徴量を選択した.そして,選択された特徴量を用いてロジスティック回帰分析を行い,構音・嚥下機能の分類性能を確認した.
【結果と考察】
歌唱中の音響特徴量から構音機能を分類した際の正解率は95%(再現率89%),嚥下機能を分類した際の正解率は94%(再現率89%)となった.また,画像特徴量から構音機能を分類した際の正解率は94%(再現率81%),嚥下機能を分類した際の正解率は96%(再現率78%)となった.選択された音響特徴量の一部は,構音障害の分類に有用であるという先行研究の結果と一致した.本研究より,歌唱中の音声・画像が構音・嚥下機能の分類に寄与する可能性が示された.
(COI 開示:なし)
(東京大学 倫理審査委員会承認番号 KE21-92,93)
(東京医科歯科大学 倫理審査委員会承認番号 D2021-057,058)