[O2-03] 高齢者に対して当院で実施した静脈内鎮静下歯科治療
【目的】
高齢者においても通常の歯科治療や抑制下での歯科治療が困難な場合は鎮静あるいは全身麻酔が必要となる. 一般的に高齢者は青壮年者と比較して心肺機能が低下しており,合併疾患も多く,全身麻酔を行う上でリスクが高い.したがって,可能であれば全身麻酔よりも鎮静下での処置の方が望ましい.今回,当院における高齢者に対する静脈内鎮静下歯科治療の安全性を高めるために調査を行ったので報告する.
本発表にあたっては,患者あるいは家族の同意も得ている.
【症例の概要と処置】
2017から2021年の4年間に当院で全身麻酔下歯科治療を受けた65歳以上の患者3名(性別:男性1名,女性2名. 年齢: 81~87歳.)3例を対象とした.静脈内鎮静を必要とした原因は,歯科治療恐怖症が1名,認知症が1名,歯科治療恐怖症および認知症が 1名であった.全例日帰りであった.調査は歯科麻酔医が行い,診療録および麻酔チャートから情報を収集した.
【結果と考察】
併存疾患は,高血圧症,胸腹部大動脈瘤,胸部大動脈瘤解離などであった. 2例では静脈路確保後にミダゾラムが投与され,残りの1例においては亜酸化窒素,酸素,セボフルランによる意識消失後に静脈路を確保してプロポフォールが持続投与されていた.術中の異常は全て循環系であり,2例において導入後に収縮期血圧が50mmHg以上低下した.その他には呼吸器系も含めて術中に異常は認められなかった.術後にも異常は発生しなかった.
今回,血圧変動以外に大きな問題がなかったのは,医科主治医により基礎疾患が良好にコントロールされていたこと,長時間の治療がなかったことが影響していると考えられる.導入直後に血圧が低下したのは,術前の精神的緊張が高かったことと鎮静の導入の侵襲が小さかったことが原因と考えられる.今後は導入法の再検討が必要と言える.
開示すべきCOI関係にある企業や団体はない.倫理審査対象外.
高齢者においても通常の歯科治療や抑制下での歯科治療が困難な場合は鎮静あるいは全身麻酔が必要となる. 一般的に高齢者は青壮年者と比較して心肺機能が低下しており,合併疾患も多く,全身麻酔を行う上でリスクが高い.したがって,可能であれば全身麻酔よりも鎮静下での処置の方が望ましい.今回,当院における高齢者に対する静脈内鎮静下歯科治療の安全性を高めるために調査を行ったので報告する.
本発表にあたっては,患者あるいは家族の同意も得ている.
【症例の概要と処置】
2017から2021年の4年間に当院で全身麻酔下歯科治療を受けた65歳以上の患者3名(性別:男性1名,女性2名. 年齢: 81~87歳.)3例を対象とした.静脈内鎮静を必要とした原因は,歯科治療恐怖症が1名,認知症が1名,歯科治療恐怖症および認知症が 1名であった.全例日帰りであった.調査は歯科麻酔医が行い,診療録および麻酔チャートから情報を収集した.
【結果と考察】
併存疾患は,高血圧症,胸腹部大動脈瘤,胸部大動脈瘤解離などであった. 2例では静脈路確保後にミダゾラムが投与され,残りの1例においては亜酸化窒素,酸素,セボフルランによる意識消失後に静脈路を確保してプロポフォールが持続投与されていた.術中の異常は全て循環系であり,2例において導入後に収縮期血圧が50mmHg以上低下した.その他には呼吸器系も含めて術中に異常は認められなかった.術後にも異常は発生しなかった.
今回,血圧変動以外に大きな問題がなかったのは,医科主治医により基礎疾患が良好にコントロールされていたこと,長時間の治療がなかったことが影響していると考えられる.導入直後に血圧が低下したのは,術前の精神的緊張が高かったことと鎮静の導入の侵襲が小さかったことが原因と考えられる.今後は導入法の再検討が必要と言える.
開示すべきCOI関係にある企業や団体はない.倫理審査対象外.