一般社団法人日本老年歯科医学会 第33回学術大会

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ポスター発表1 介護・介護予防

[P1-04] 認知症患者への歯科対応の啓発活動の意識調査

○岡田 尚則、大河 貴久、水野 昭彦、奥野 博喜 (京都府歯科医師会)

【目的】
 超高齢社会において認知症患者の増加に伴い、認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護の提供を実現することが歯科医療従事者に求められているなかで、受付や歯科助手などの医院スタッフにも、認知症患者への適切な対応が求められる頻度が増えてきたことから、京都府歯科医師会地域保健部では行政との協同事業の一環として「認知症患者さんのトラブル」医院スタッフ向け四コマ漫画解説図の作成をした。今後、認知症患者への適切な対応の啓発活動を行ううえで、認知症の人と家族の立場からの視点を重視した取り組みを行うために意識調査を行った。
【方法】
 「認知症患者さんのトラブル」医院スタッフ向け四コマ漫画解説図を公益社団法人認知症の人と家族の会京都府支部のスタッフの方に閲覧いただいた後、自由意志により無記名アンケートにご参加いただき、アンケート結果を学術目的に使用することに同意をいただいた15名に対して、認知症の方への歯科対応について意識調査を行った。
【結果と考察】
 (質問1)認知症の方の歯科対応で難しいと感じた内容どのようなことですか?重複回答可では、1位は入れ歯の管理、2位は口腔ケア、3位は治療内容の理解、4位は歯科治療の相談先、通院方法、摂食嚥下リハビリテー ション、5位は訪問診療の情報、電話対応、お支払いと回答した。(質問2)四コマ漫画は、認知症の方への歯科対応の参考になりましたか?では、大半の者が参考になったと回答した。(質問3)認知症の方への適切な対応を行うにあたり、歯科にどのようなことを希望されますか?では、一文づつ短く大きな声でゆっくり話して欲しい、訪問歯科診療の情報を積極的に伝えて欲しい、身近に相談窓口を開設して欲しいなどの希望があった。今回の意識調査から認知症患者を取り巻く家族や施設職員に対して義歯の取り扱いや口腔ケア指導の啓発活動の必要性を感じた。また、認知症患者の歯科治療の相談窓口や訪問歯科診療の情報提供をよりわかりやすく発信していくことが課題であると考えられた。今後、歯科が長期的で積極的に認知症患者に携われるような環境作りを構築していく必要があると思われた。
(COI開示なし)(倫理審査対象外)