[P2-03] 開口速度計の開発
【目的】
開口運動は嚥下と類似した舌骨上筋活動をともなう。よって、舌骨上筋を強化する嚥下訓練として、開口運動が応用されている。開口する力は測定器で測れるが、最大限開口した時点の筋力であり、筋機能を評価しているわけではない。そこで、舌骨上筋群が主に収縮速度が速いタイプⅡの筋繊維から構成されている点、筋機能評価には筋収縮の速度が利用できる点に着目し、開口する速度を測定することが嚥下リハの臨床に意義深いと考えた。 本研究は、新しく開発された測定器(開口速度計)を用いて開口する速度を測り、その信頼性と妥当性を明らかにすることを目的とした。
【方法】
開口速度の測定は「開口速度測定器(バンドー化学株式会社)」を用いて計測を行った。本機器はヘッドギア型で、顎下にのびるパーツにストレッチセンサが組み込まれており、その伸長量に応じた静電容量の変化で開口を判定し、開口速度(%/sec)を計測した。まず健常成人のボランティア12人で開口速度測定器の計測の信頼性を確認した。その後、除外基準を、顎関節症をもつもの、ペースメーカーを使用しているものとして、65歳以上の健常高齢者のボランティア36名(男性18名、女性18名、72.4±5.5歳)を対象として計測を行った。対象者の身長、体重、性別、年齢、開口速度、超音波検査によるオトガイ舌骨筋の横断面の断面積取得したデータのうち、 開口速度、オトガイ舌骨筋の断面積と他の変数との相関をPearsonの相関係数で検討した。(東京医科歯科大学歯学部倫理員会:D2014-047)
【結果と考察】
開口速度の検査者内信頼性ρ=0.918, 検査者間信頼性ρ=0.971で計測の信頼性は高かった。また開口速度はオトガイ舌骨筋の断面積と有意に相関を認めた(r=0.499,p<0.01)。これらの結果より開口速度は再現性をもって計測可能な指標であり、オトガイ舌骨筋の筋量と関連がある可能性がある。今後は開口速度と嚥下機能との関連を検討していきたい。
(COI 開示:バンドー化学株式会社)
開口運動は嚥下と類似した舌骨上筋活動をともなう。よって、舌骨上筋を強化する嚥下訓練として、開口運動が応用されている。開口する力は測定器で測れるが、最大限開口した時点の筋力であり、筋機能を評価しているわけではない。そこで、舌骨上筋群が主に収縮速度が速いタイプⅡの筋繊維から構成されている点、筋機能評価には筋収縮の速度が利用できる点に着目し、開口する速度を測定することが嚥下リハの臨床に意義深いと考えた。 本研究は、新しく開発された測定器(開口速度計)を用いて開口する速度を測り、その信頼性と妥当性を明らかにすることを目的とした。
【方法】
開口速度の測定は「開口速度測定器(バンドー化学株式会社)」を用いて計測を行った。本機器はヘッドギア型で、顎下にのびるパーツにストレッチセンサが組み込まれており、その伸長量に応じた静電容量の変化で開口を判定し、開口速度(%/sec)を計測した。まず健常成人のボランティア12人で開口速度測定器の計測の信頼性を確認した。その後、除外基準を、顎関節症をもつもの、ペースメーカーを使用しているものとして、65歳以上の健常高齢者のボランティア36名(男性18名、女性18名、72.4±5.5歳)を対象として計測を行った。対象者の身長、体重、性別、年齢、開口速度、超音波検査によるオトガイ舌骨筋の横断面の断面積取得したデータのうち、 開口速度、オトガイ舌骨筋の断面積と他の変数との相関をPearsonの相関係数で検討した。(東京医科歯科大学歯学部倫理員会:D2014-047)
【結果と考察】
開口速度の検査者内信頼性ρ=0.918, 検査者間信頼性ρ=0.971で計測の信頼性は高かった。また開口速度はオトガイ舌骨筋の断面積と有意に相関を認めた(r=0.499,p<0.01)。これらの結果より開口速度は再現性をもって計測可能な指標であり、オトガイ舌骨筋の筋量と関連がある可能性がある。今後は開口速度と嚥下機能との関連を検討していきたい。
(COI 開示:バンドー化学株式会社)