[P2-04] 超音波診断装置を用いた神経電気刺激による顎二腹筋前腹の形状および硬さの評価
【目的】
舌骨上筋群の筋力低下は舌骨および喉頭の挙上量の減少,それに伴う食道入口部の開大不全,咽頭残留物の増加を引き起こす。筋収縮を促すリハビリテーションの一つである神経筋電気刺激(Neuromuscular Electrical Stimulation; NMES)は,断続的な筋収縮により筋力を増強させることから,廃用性筋萎縮の予防や,運動機能障害に効果的であると言われている。本研究では顎二腹筋前腹への NMES による筋肉の変化を超音波診断装置にて定量評価することで,その効果を検証した。
【方法】
対象は顎口腔・顔面領域に異常のない健常成人6名(男性4名,女性2名,平均年齢28.8±2.2歳)とした。筋の硬さの計測には超音波診断装置Real-time Tissue Elastography(Noblus. HITACHI)のStrain Ratio(SR)を用いて,左側顎二腹筋前腹を対象として顎下部から計測を行なった。硬さ(以下SR値),周囲長,面積,上下径,左右径を計測した。上記項目を計測したのち,顎二腹筋前腹に対し,NMES(バイタルスティムプラス)を用いて1日30分,昼食時1回,4週間のNMES訓練を施行し、初回、2週後,4週後に計測を行った。NMES機器使用の際には,咀嚼運動, 嚥下運動を併用した。安静時と開口時に計測を行い,統計学的分析はWilcoxonの符号順位和検定を用いた。
【結果と考察】
開口時SR値は実施前(0.82±0.39)と比較して,4週目(1.10±0.42)において有意に増加した (p<0.05)。安静時上下径は実施前(6.6±1.04mm)及び2週目(7.16±1.02mm)と比較して4週目(7.31±1.13mm)で有意に増加した(p<0.01)。安静時周囲長は実施前(3.65±0.44cm)と比較して4週目(3.89±0.50cm)で有意に増加した(p<0.05)。本研究よりNMESによるリハビリテーションは筋の硬さ,筋の形状変化に影響を及ぼす可能性が示唆された。今後被験者数をさらに増やし、超音波診断装置を用いた若年者におけるNMESの効果を明らかにし、さらに高齢者でも本法が有効であるのか検証していきたい。
(東京歯科大学 倫理審査委員会承認番号 1075)
(COI開示:なし)
舌骨上筋群の筋力低下は舌骨および喉頭の挙上量の減少,それに伴う食道入口部の開大不全,咽頭残留物の増加を引き起こす。筋収縮を促すリハビリテーションの一つである神経筋電気刺激(Neuromuscular Electrical Stimulation; NMES)は,断続的な筋収縮により筋力を増強させることから,廃用性筋萎縮の予防や,運動機能障害に効果的であると言われている。本研究では顎二腹筋前腹への NMES による筋肉の変化を超音波診断装置にて定量評価することで,その効果を検証した。
【方法】
対象は顎口腔・顔面領域に異常のない健常成人6名(男性4名,女性2名,平均年齢28.8±2.2歳)とした。筋の硬さの計測には超音波診断装置Real-time Tissue Elastography(Noblus. HITACHI)のStrain Ratio(SR)を用いて,左側顎二腹筋前腹を対象として顎下部から計測を行なった。硬さ(以下SR値),周囲長,面積,上下径,左右径を計測した。上記項目を計測したのち,顎二腹筋前腹に対し,NMES(バイタルスティムプラス)を用いて1日30分,昼食時1回,4週間のNMES訓練を施行し、初回、2週後,4週後に計測を行った。NMES機器使用の際には,咀嚼運動, 嚥下運動を併用した。安静時と開口時に計測を行い,統計学的分析はWilcoxonの符号順位和検定を用いた。
【結果と考察】
開口時SR値は実施前(0.82±0.39)と比較して,4週目(1.10±0.42)において有意に増加した (p<0.05)。安静時上下径は実施前(6.6±1.04mm)及び2週目(7.16±1.02mm)と比較して4週目(7.31±1.13mm)で有意に増加した(p<0.01)。安静時周囲長は実施前(3.65±0.44cm)と比較して4週目(3.89±0.50cm)で有意に増加した(p<0.05)。本研究よりNMESによるリハビリテーションは筋の硬さ,筋の形状変化に影響を及ぼす可能性が示唆された。今後被験者数をさらに増やし、超音波診断装置を用いた若年者におけるNMESの効果を明らかにし、さらに高齢者でも本法が有効であるのか検証していきたい。
(東京歯科大学 倫理審査委員会承認番号 1075)
(COI開示:なし)