一般社団法人日本老年歯科医学会 第33回学術大会

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ポスター発表7 教育

[P7-02] 高齢者・在宅歯科医療学臨床実習のPBLにおけるテキストマイニングによる振り返り学習の取り組み

○宇佐美 博志、村上  弘、竹内 一夫、水野 辰哉、宮前 真、髙濱 豊、加藤 大輔、上野 温子、山口 大輔、瀧井 泉美、宮本 佳宏、木本 統 (愛知学院大学歯学部 高齢者・在宅歯科医療学講座)

【目的】  
 令和2年度よりCOVID-19の感染拡大と収束に伴い, ローテーションスケジュールによるオンラインまたは対面でのPBLを行っている。自由記述文章中の単語の出現頻度や重要性および関連性を定量化して視覚化する手法にテキストマイニングがある。既に教育界ではレポートの分析や実習の振り返りアンケート解析に利用されている。 令和3年度はグループ間の意見交流の補填としてテキストマイニングによる振り返り学習を行ったので,教員と学生からの感想および運営における改善点について報告する。
【方法】
 PBLは5年次学生の10班編制で,3週間に1回のローテーションで行った。シナリオは,高齢者の社会的・環境因子,身体的因子,心理的因子および口腔内状態を中心に拡散型の内容とした。マネキンのマナボット(ニッシン)と口腔内情報と整合性のあるパノラマエックス線画像をPBL用に作製した。オンライン,対面PBLともにシナリオをTeams で提示し,意見交換のための参考資料と書籍を手元に置いて歯科的介入について話し合った。グループのプロダクトはTeams のWordで共有し参加者の全員が視認と入力ができる環境で行った。 チュータはPBL終了後にグループプロダクトの文章をAIテキストマイニングでテキスト解析し結果を学生に提示した。次いで,他のグループのテキスト解析の結果を提示し,実習後の振り返りの感想を個々に記述させた。学生は自由意志により参加し、振り返りの感想の公表に同意している。
【結果と考察】
 学生の感想である。グループによって話題が全く違うのがわかった。口腔内の咬耗や義歯の状態だけではなく, 声かけ,環境への配慮,他職種との連携も大切だと思った。他のグループと違いはあったが全体的には同じ内容だと感じた。高齢者の食事指導に着眼したグループは珍しいと感じた。教員からは,テキストマイニングの結果は視覚的で学生に理解されやすい,テキストマイニングのための単語の前処理が必要である等の感想があった。
 以上より,拡散型シナリオとTeams によるWordの共有およびテキストマイニングによる振り返りの学習は, 実施時期の異なるPBLでのグループ間の意見提示に有効な方法と考える。(COI開示:なし)(倫理審査対象外)