The 33rd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター発表)

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ポスター発表8 症例・施設

[P8-19] 介護施設入所者における食事形態と認知機能および身体的特徴との関連性

○中山 渕利、阿部 仁子、酒井 真悠、植田 耕一郎 (日本大学歯学部摂食機能療法学講座)

【目的】
要介護高齢者では様々な理由により通常の食事の摂取が困難になる場合が少なくない。本研究では、介護施設入所者における食事形態と認知機能および身体的特徴との関連性について検討することを目的とした。
【方法】
千葉県の介護老人保健施設と東京都の介護老人福祉施設に入所中の要介護高齢者のうち、固形食を摂取している79名(平均年齢88.8歳、女性61名)を対象とした。対象者を日常的に摂取している食事形態をもとに常食群、軟菜食群、ソフト食群の3群に分け、年齢、性別、要介護度、BMI、MNA-SF、ABC認知症スケール、アイヒナー 分類、ふくらはぎ周囲長(CC)、握力、ASMIおよび咬筋、舌、オトガイ舌骨筋の厚みについて群間比較し、食事形態との関連性を検討した。群間比較は分散分析後にTukeyのHSD法を用い、関連性についてはSpearmanの順位相関係数で評価した。有意水準は5%とした。
【結果と考察】
要介護度、BMI、MNA-SF、CCおよびABC認知症スケールのドメインAにおいて、常食群とソフト食群の間に有意差を認めた。また、要介護度、BMI、MNA-SF、ドメインAにおいて、食事形態との間に弱い相関を認めた。 本研究の結果により、ソフト食事を摂取している者では常食を摂取している者と比べて、栄養状態が不良かつ認知機能が低下している傾向が認められた。介護施設に入所中の要介護高齢者に対して歯科治療や栄養指導を行う際は、これらの特徴を理解しておくことが重要と考えた。
(COI開示:なし) (日本大学歯学部 倫理審査委員会承認番号 EP19D015-1)