[P9-02] 歯科外来におけるフローチャートとオーダー票を用いた栄養相談の紹介
【目的】
当院では、「口から始まる総合的な健康サポート」を目指し、開院当初より管理栄養士による外来栄養相談を行っている。今回、「外来栄養相談フローチャート」(以下フローチャート)を作成し、「栄養相談オーダー 票」(以下オーダー票)を活用した歯科クリニックにおける栄養相談の運用を開始したのでその状況を報告する。
【方法】
フローチャートは、栄養相談の流れの整理、クリニック内スタッフの栄養相談運用の理解、問題発生時の原因明確化のために作成した。オーダー票は、過去の管理栄養士による栄養相談内容と、歯科医師、歯科衛生士が歯科治療のため、あるいは患者の栄養状態の維持改善、予防に必要と認識している栄養食事問題を基に、書式と栄養相談項目を検討し決定した。3枚綴りでカルテ用、管理栄養士用、患者用としている。オーダー票の運用により、初診時あるいは継続治療患者が、栄養スクリーニングによって口腔機能低下や栄養不良を疑われる場合、歯科医師の他、歯科衛生士、臨床検査技師、歯科技工士等、全ての職種が栄養相談を依頼することが可能である。 オーダー票の項目は、義歯作成前後、歯周病、インプラント術前後、口内炎等を記載している。治療が終了した患者は、3か月に1度メインテナンスを受け、その際にカルシウム自己チェック票を記入し、カルシウム摂取不足の場合は歯科衛生士から栄養相談を勧める。減量や血糖コントロール等、患者の希望に応じた栄養相談を行う場合もある。栄養相談時は、体組成、食事記録による栄養摂取量をチェックし、患者の状況を把握したうえで「栄養指導計画書」を発行する。概ね1~3か月ごとに、歯科治療時、または治療とは別に行っている。栄養相談実施後は、実施報告書を歯科医師に提出する。
【結果と考察】
2021年の栄養相談実績は、口腔機能低下症12件、低栄養16件、歯周病5件、インプラント3件、その他32件であった。フローチャートとオーダー票の作成によって、クリニック内での栄養相談の認知が高まった。しかし、 総患者数に占める栄養相談依頼件数は0.1%と少なく、継続支援件数は33.8%であり継続率が低い。栄養相談は生活習慣改善であり1回の相談では効果は低い。今後、症例報告を行い、栄養相談の効果を歯科医師やスタッフに周知し、メインテナンスのタイミングで栄養相談を継続していくようにしたい。(COI開示:なし, 倫理審査対象外)
当院では、「口から始まる総合的な健康サポート」を目指し、開院当初より管理栄養士による外来栄養相談を行っている。今回、「外来栄養相談フローチャート」(以下フローチャート)を作成し、「栄養相談オーダー 票」(以下オーダー票)を活用した歯科クリニックにおける栄養相談の運用を開始したのでその状況を報告する。
【方法】
フローチャートは、栄養相談の流れの整理、クリニック内スタッフの栄養相談運用の理解、問題発生時の原因明確化のために作成した。オーダー票は、過去の管理栄養士による栄養相談内容と、歯科医師、歯科衛生士が歯科治療のため、あるいは患者の栄養状態の維持改善、予防に必要と認識している栄養食事問題を基に、書式と栄養相談項目を検討し決定した。3枚綴りでカルテ用、管理栄養士用、患者用としている。オーダー票の運用により、初診時あるいは継続治療患者が、栄養スクリーニングによって口腔機能低下や栄養不良を疑われる場合、歯科医師の他、歯科衛生士、臨床検査技師、歯科技工士等、全ての職種が栄養相談を依頼することが可能である。 オーダー票の項目は、義歯作成前後、歯周病、インプラント術前後、口内炎等を記載している。治療が終了した患者は、3か月に1度メインテナンスを受け、その際にカルシウム自己チェック票を記入し、カルシウム摂取不足の場合は歯科衛生士から栄養相談を勧める。減量や血糖コントロール等、患者の希望に応じた栄養相談を行う場合もある。栄養相談時は、体組成、食事記録による栄養摂取量をチェックし、患者の状況を把握したうえで「栄養指導計画書」を発行する。概ね1~3か月ごとに、歯科治療時、または治療とは別に行っている。栄養相談実施後は、実施報告書を歯科医師に提出する。
【結果と考察】
2021年の栄養相談実績は、口腔機能低下症12件、低栄養16件、歯周病5件、インプラント3件、その他32件であった。フローチャートとオーダー票の作成によって、クリニック内での栄養相談の認知が高まった。しかし、 総患者数に占める栄養相談依頼件数は0.1%と少なく、継続支援件数は33.8%であり継続率が低い。栄養相談は生活習慣改善であり1回の相談では効果は低い。今後、症例報告を行い、栄養相談の効果を歯科医師やスタッフに周知し、メインテナンスのタイミングで栄養相談を継続していくようにしたい。(COI開示:なし, 倫理審査対象外)