The 33rd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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ポスター発表9 その他

[P9-07] 新規BioUnionガラス含有水硬性仮封材キャビトン ファストにおける耐摩耗性向上の検討

○星野 智大、町田 大樹、伏島 歩登志 (株式会社ジーシー)

【目的】
 近年の超高齢社会において,残存歯数の増加に伴い,高齢者の根面う蝕増加が大きな問題となっている。弊社ではフッ素や亜鉛,カルシウムを放出する高機能性バイオアクティブガラス,BioUnionガラスを開発した。さらに,本技術を応用した新規BioUnionガラス(BUF0818)を開発し,バイオアクティブ性を付与した水硬性仮封材キャビトン ファストを製品化した。パテ状材料であり,簡便な操作性で,従来製品よりも硬化が早く早期に辺縁封鎖が期待される。また,フッ化物イオン等を放出するため,開口制限のある高齢者等のう蝕予防やくさび状欠損等の一時的な処置として有用と考える。しかしながら,水硬性仮封材は除去する前提の材料であり,長期的な耐久性は低い。そこで,本研究では,各水硬性仮封材の歯ブラシ摩耗性と耐摩耗性向上の検討のため,材料表面に歯科表面滑沢硬化材を塗布した後の歯ブラシ摩耗性を評価したので報告する。
【方法】
 材料は,キャビトン ファスト(CVF;GC), キャビトンEX(CEX;GC), キャビトン(CV;GC), 水硬性仮封材(製品A,製品B,製品C)を用いた。
歯ブラシ摩耗試験について,牛歯に幅2mm・深さ1mmの窩洞を形成し材料を充填後,37℃水中に30分間浸漬した。その後,歯ブラシ摩耗試験機にて荷重300kgfで6000回行い,試験体をレーザー顕微鏡にて観察した。また, 材料表面に歯科表面滑沢硬化材G-コート(GC)を塗布し,LED可視光線照射器で20秒間光照射し硬化させた後, G-コートなしと同様に水中浸漬後歯ブラシ摩耗試験を実施した。
【結果と考察】
 歯ブラシ摩耗性において,CVFの摩耗量は3%と最も少なく,製品Bが30%と最も摩耗量が多かった。CVFは,他と比較し硬化が早いため,摩耗量が少なかったと考える。また,G-コートを塗布することで,表面に滑沢性が付与され耐摩耗性が向上した。
 新規水硬性仮封材キャビトン ファストは,従来の水硬性仮封材よりも優れた耐摩耗性を有し,歯科表面滑沢硬化材の塗布により,長期的な耐摩耗性が期待されることが示唆された。

(COI開示:本演題の筆頭発表者は企業に所属し,研究費および給与等は株式会社ジーシーより支給されている)
(倫理審査対象外)