[課題2-1] 地域在住高齢者における咀嚼機能、舌運動機能と身体的プレフレイルとの関連について:糸島フレイル研究
【目的】口腔機能の低下と身体的プレフレイル(以下PPF)の関連が明確になれば、要介護化を効果的に予防できる。そこで、地域在住高齢者に口腔機能及び身体機能検査を行い、口腔機能とPPFとの関連を横断的に検討した。
【方法】対象は、2020年福岡県糸島市の疫学調査に参加し、身体的フレイルに該当しなかった65歳以上の381名(平均年齢72.6 ± 3.9歳、男性188名)であった。握力、5m歩行速度、疲労感、体重減少、活動量低下の5項目を測定し、1または2項目が該当した場合にPPFと定義した。口腔機能(現在歯数、咀嚼能力、最大舌圧、オーラルディアドコキネシス(以下、ODK))、運動機能、身体組成、運動習慣、社会参加について調査した。各項目についてPPF群と健常群の差異をt検定およびχ2検定で検討した。その結果PPF群と健常群との群間比較で有意差を認めた年齢、性別、咀嚼能力、最大舌圧、ODK/ta/、社会参加の有無及び骨格筋量を独立変数、PPFの有無を従属変数とし、二項ロジスティック回帰分析からオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出した。
【結果と考察】
PPF群(n=126)は、健常群(n=255)と比較して、年齢、体脂肪率が有意に高く、握力、歩行速度、骨格筋量が有意に低かった。また、PPF群は口腔機能のうち、咀嚼能力、ODK/ta/で計測した舌前方の動きや、社会参加の機会を有する対象者の割合が有意に低かった。二項ロジスティック回帰分析の結果、PPFと、年齢(OR, 1.110; 95%CI, 1.047–1.177; p < 0.001)、咀嚼能力(OR, 0.806; 95%CI, 0.672–0.967; p = 0.020)、ODK/ta/(OR, 1.846; 95%CI, 1.060–3.215, p = 0.030)、社会参加の有無(OR, 2.234; 95%CI, 1.288-3.876; p = 0.004)が関連していた。本研究から、地域在住高齢者において、PPEは口腔機能の咀嚼能力及び舌前方運動機能の低下が関連要因となる可能性が示唆された。
(COI 開示:なし)
(九州大学 倫理審査委員会承認番号202005)
【方法】対象は、2020年福岡県糸島市の疫学調査に参加し、身体的フレイルに該当しなかった65歳以上の381名(平均年齢72.6 ± 3.9歳、男性188名)であった。握力、5m歩行速度、疲労感、体重減少、活動量低下の5項目を測定し、1または2項目が該当した場合にPPFと定義した。口腔機能(現在歯数、咀嚼能力、最大舌圧、オーラルディアドコキネシス(以下、ODK))、運動機能、身体組成、運動習慣、社会参加について調査した。各項目についてPPF群と健常群の差異をt検定およびχ2検定で検討した。その結果PPF群と健常群との群間比較で有意差を認めた年齢、性別、咀嚼能力、最大舌圧、ODK/ta/、社会参加の有無及び骨格筋量を独立変数、PPFの有無を従属変数とし、二項ロジスティック回帰分析からオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出した。
【結果と考察】
PPF群(n=126)は、健常群(n=255)と比較して、年齢、体脂肪率が有意に高く、握力、歩行速度、骨格筋量が有意に低かった。また、PPF群は口腔機能のうち、咀嚼能力、ODK/ta/で計測した舌前方の動きや、社会参加の機会を有する対象者の割合が有意に低かった。二項ロジスティック回帰分析の結果、PPFと、年齢(OR, 1.110; 95%CI, 1.047–1.177; p < 0.001)、咀嚼能力(OR, 0.806; 95%CI, 0.672–0.967; p = 0.020)、ODK/ta/(OR, 1.846; 95%CI, 1.060–3.215, p = 0.030)、社会参加の有無(OR, 2.234; 95%CI, 1.288-3.876; p = 0.004)が関連していた。本研究から、地域在住高齢者において、PPEは口腔機能の咀嚼能力及び舌前方運動機能の低下が関連要因となる可能性が示唆された。
(COI 開示:なし)
(九州大学 倫理審査委員会承認番号202005)