[SY8-2] 脳卒中急性期患者の口腔ケアの頻度や一回にかける時間は、どの程度が望ましいか?
【略歴】
2013年 3月 福岡歯科大学卒業
2014年 4月 福岡歯科大学大学院歯学研究科歯学専攻博士課程進学
2018年 3月 福岡歯科大学大学院歯学研究科歯学専攻博士課程卒業
2018年 4月 福岡歯科大学高齢者歯科学分野 医員
2018年12月 福岡歯科大学高齢者歯科学分野 助教
2020年11月 福岡歯科大学高齢者歯科学分野 講師
現在に至る
2013年 3月 福岡歯科大学卒業
2014年 4月 福岡歯科大学大学院歯学研究科歯学専攻博士課程進学
2018年 3月 福岡歯科大学大学院歯学研究科歯学専攻博士課程卒業
2018年 4月 福岡歯科大学高齢者歯科学分野 医員
2018年12月 福岡歯科大学高齢者歯科学分野 助教
2020年11月 福岡歯科大学高齢者歯科学分野 講師
現在に至る
【抄録】
一昔前までは死因の一位であった脳卒中は、医療の進歩によって治療が確立してから治る、もしくは社会復帰できるような病気になりつつある。また近年では歯科を持つ医院内での医科歯科連携や、入院病床を持つ病院への訪問歯科診療の充実に伴い、入院患者の口腔環境は改善傾向にある。しかしながら、どのような口腔ケアを、どのくらいの頻度で、どのくらいの時間をかけて行うなどといった科学的根拠は少なく、特に脳卒中の急性期においてはまだまだ口腔領域の介入は乏しく、これらのはっきりとした科学的根拠もないのが現状である。
今回はこれらの脳卒中急性期患者においての口腔ケアの頻度や一回にかける時間は、どの程度が望ましいのかを調べることを目的とした。
方法としては”脳卒中急性期”、”口腔ケア”、”頻度”、”時間”などをキーワードにて論文検索を行なった。
今回の検索では、脳卒中急性期患者に対して、少なくとも8時間ごとの口腔ケアを行うことは、行わない場合と比較して、口腔衛生状態が改善し、急性感染症の発生率が低下することと、脳卒中急性期患者に対して、5分程度の口腔ケアを行うことは、行わない場合と比較して、急性感染症の発生率が低下することがわかった。
しかしこれらの研究では、患者のすべてが脳卒中患者ではなく、対象患者のランダム化もされていないうえに、口腔ケアの頻度が規格化されていないためエビデンスレベルは低い。口腔ケアの頻度に関するその他のエビデンスレベルとして、Systematic Reviewやアンケート調査も抽出されたが、著者の意見にとどまるレベルであり、コンセンサスは得られていない。また口腔ケアに費やす時間に関するエビデンスも少ない。歯磨剤と歯ブラシで歯・舌・口蓋を少なくとも1分間磨く、歯磨剤と軟毛歯ブラシで歯・歯肉・舌・口蓋を1~2分間磨く、歯磨き、咽頭吸引、口の開閉運動、舌、口腔刺激を5分間行うなど、研究によってさまざまであり、前述のようにエビデンスレベル低いものが多い。
今回のシンポジウムでは口腔ケアの頻度や一回にかける時間に対するエビデンスはまだまだ少ないので討議していきたい。
一昔前までは死因の一位であった脳卒中は、医療の進歩によって治療が確立してから治る、もしくは社会復帰できるような病気になりつつある。また近年では歯科を持つ医院内での医科歯科連携や、入院病床を持つ病院への訪問歯科診療の充実に伴い、入院患者の口腔環境は改善傾向にある。しかしながら、どのような口腔ケアを、どのくらいの頻度で、どのくらいの時間をかけて行うなどといった科学的根拠は少なく、特に脳卒中の急性期においてはまだまだ口腔領域の介入は乏しく、これらのはっきりとした科学的根拠もないのが現状である。
今回はこれらの脳卒中急性期患者においての口腔ケアの頻度や一回にかける時間は、どの程度が望ましいのかを調べることを目的とした。
方法としては”脳卒中急性期”、”口腔ケア”、”頻度”、”時間”などをキーワードにて論文検索を行なった。
今回の検索では、脳卒中急性期患者に対して、少なくとも8時間ごとの口腔ケアを行うことは、行わない場合と比較して、口腔衛生状態が改善し、急性感染症の発生率が低下することと、脳卒中急性期患者に対して、5分程度の口腔ケアを行うことは、行わない場合と比較して、急性感染症の発生率が低下することがわかった。
しかしこれらの研究では、患者のすべてが脳卒中患者ではなく、対象患者のランダム化もされていないうえに、口腔ケアの頻度が規格化されていないためエビデンスレベルは低い。口腔ケアの頻度に関するその他のエビデンスレベルとして、Systematic Reviewやアンケート調査も抽出されたが、著者の意見にとどまるレベルであり、コンセンサスは得られていない。また口腔ケアに費やす時間に関するエビデンスも少ない。歯磨剤と歯ブラシで歯・舌・口蓋を少なくとも1分間磨く、歯磨剤と軟毛歯ブラシで歯・歯肉・舌・口蓋を1~2分間磨く、歯磨き、咽頭吸引、口の開閉運動、舌、口腔刺激を5分間行うなど、研究によってさまざまであり、前述のようにエビデンスレベル低いものが多い。
今回のシンポジウムでは口腔ケアの頻度や一回にかける時間に対するエビデンスはまだまだ少ないので討議していきたい。