The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師更新ポスター

Fri. Jun 16, 2023 11:30 AM - 6:00 PM ポスター会場 (1階 G3)

※発表なし掲示のみ

[摂食更新P-1] 東京都城南地区における食支援活動の報告

○粟屋 剛1 (1. あわや歯科医院)

【緒言・目的】
 近年,各地域の特性に合わせた食支援活動の報告を多く認めるようになった。当院の所在する東京都城南地区においても多職種協同で食支援活動を開始したので報告する。
【経過】
 東京都城南地区(世田谷区,大田区,目黒区等)において摂食嚥下障害等を持つ住民からの食支援を望む声は年々増加しており,多職種連携勉強会でもその必要性が唱えられていた。それを受け,当地区で活動している本報告者である歯科医師,ケアマネジャー,看護師と言語聴覚士が中心となり,2020年12月に「城南食支援研究会」を立ち上げ,2021年1月から活動を開始した。「新宿食支援研究会」の協力を得て,食支援を「本人,家族に口から食べたいという希望がある,もしくは身体的に栄養ケアの必要がある人に対し,適切な栄養管理,経口摂取の維持,食を楽しんでもらうことを目的としてリスクマネジメントの視点を持ち,適切な支援を行うこと」と定め,活動目標を「医療や介護という垣根を越え,何らかの食や栄養の異常を見つける人,適切な支援者につなぐ人,結果を出す人(支援者)を育て地域に広げること」とした。これまでの活動内容は無料の勉強会の開催で,2023年1月までに計13回実施した。講師は歯科医師,歯科衛生士,医師,薬剤師,看護師,管理栄養士,理学療法士,言語聴覚士,ケアマネジャーが担当した。参加者は医療職,介護職,嚥下調整食を製造販売する企業の職員,摂食嚥下障害を持つ患者等が17~38人/回であった。参加者からは食支援に関する知識が深まったとの感想、実際の連携に繋がったとの報告を得られた。
【考察】
 勉強会は新型コロナウイルス感染症の影響によりオンライン形式で実施してきたが,今後は連携強化のための顔の見える関係作りや実技獲得のために感染対策を講じて対面形式を増やす方針である。2023年には他の地域の活動,摂食嚥下リハビリテーションの歴史,小児への支援を学ぶ勉強会を予定しており,調理師や飲食業で働く方からの講義も検討中である。活動開始からまだ2年余りで課題も多い。活動目標を達成し,当地区で食支援により最期まで自分らしく食べられる方が一人でも多くなるように,参加者を増やす工夫,地域への情報発信,活動を安定して継続できる仕組み作りを進めていく必要がある。(COI開示:なし)(倫理審査対象外)