The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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日本老年学会合同ポスターセッション

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日本老年学会合同ポスターセッション

Fri. Jun 16, 2023 4:30 PM - 5:30 PM 合同ポスター会場 (1階 G2)

座長:
戸原 玄(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション学分野)
白野 美和(日本歯科大学新潟病院訪問歯科口腔ケア科)

[GP4-4] BMIと握力から推定したサルコペニア肥満状態の者の歯科的特徴

○富永 一道1、齋藤 寿章1、前田 憲邦1、西 一也1、清水 潤1、井上 幸夫1 (1. 一般社団法人島根県歯科医師会)

【目的】
サルコペニア肥満と歯科関連項目の関係を明らかにすることである。
【方法】
解析対象はR2年度島根県後期高齢者歯科口腔健診(LEDO健診)受診者とした。Someyaらに準じてサルコペニア肥満(握力;男28kg未満 or女18kg未満かつBMI 25kg/m2以上)を定義した。咀嚼能力の指標として現在歯数および5群,グミ15秒値(ファイン組®︎を15秒間努力咀嚼した後の分割数)および5群(男女別昇順0〜10%LLc,10〜30%MLc,30〜50%HLc,50〜70%Nc、70〜100%Hc),主観的評価、組み合わせ指標(A群;客観噛めない×主観噛める,B群;客観噛めない×主観噛めない,C群;客観噛める×主観噛めない,D群;客観噛める×主観噛める)と定義した。(客観噛める/噛めない)はグミ15秒値中央値を基準とした。サルコペニア肥満該当/非該当とLEDO健診項目のクロス集計を行い有意と判定(p<0.1)された項目を一覧表に示した。サルコペニア肥満該当を目的変数とし有意と判定された歯科関連項目を別々に投入したポアソン回帰分析を設定した。調整変数として基本属性,歯科関連以外の有意な項目を投入した。
【結果および考察】
解析対象6775名(男45.83%,女54.17%),年齢(70歳代54.11%,80歳代45.89%),サルコペニア肥満該当332名(4.90%)だった。クロス集計で有意だった項目は年齢、下腿周囲長,現在歯数,グミ15秒値と5群,組み合わせ指標,RSST変法(三回連続嚥下積算時間),口腔衛生状態,歯口清掃回数,肉魚摂取頻度,食事の支度,通院手段,服薬数,高血圧加療,糖尿病加療,脳卒中加療,骨関節疾患であった。ポアソン回帰分析の結果,有意な関連が確認された変数はグミ15秒値;IRR 0.98,95%CI 0.97-0.99,グミ15秒値5群LLc;1.75,1.24-2.48,MLc; 1.58,1.14-2.20(ref; Hc),組み合わせ指標;A群; 1.52,1.19-1.96(ref; D群),RSST変法;1.01,1.00-1.02,歯口清掃回数1回以下; 1.59,1.25-2.02(ref;2回以上)だった。
咀嚼能力が低い群,歯口清掃回数が少ない群,「客観かめない×主観噛める」群にサルコペニア肥満が有意に多く観察された。
(COI開示:なし)(島根県歯科医師会倫理委員会承認第17号)