[O2-1] 無床診療所通院患者における口腔機能とエネルギー・栄養素摂取量ならびに食品群別摂取量についての検討
【目的】
無床診療所通院患者における口腔機能とエネルギー・栄養素摂取量ならびに食品群別摂取量についての関係を明らかにすることを目的とした。
【方法】
4つの無床診療所に通院している65歳以上の患者のうち,研究の趣旨に同意が得られた385名(男性161名、女性224名、年齢76.8±6.2歳)を対象とした。調査項目は,身体測定,舌口唇運動機能,舌圧,簡易型自記式食事歴法質問票を用いた栄養食事調査である。
【結果と考察】
舌口唇運動機能,舌圧が基準値未満の者は基準値以上の者に比べ,年齢が有意に高値を示した(p=0.001)。また,舌圧が基準値未満の者は基準値以上の者に比べ,体重(p<0.001),BMI(p<0.001)が有意に低値を示した。梅本らは,口の些細な衰えは食欲の低下,栄養状態の悪化に繋がると報告している。つまり,加齢に伴う筋肉量の減少・筋力の低下による舌圧の低下は,体格の変化や栄養状態の悪化に繋がる可能性が示された。また,栄養食事調査の結果では,舌口唇運動機能が基準値未満の者は基準値以上の者に比べ,現体重1kgあたりのたんぱく質摂取量(p=0.048),動物性たんぱく質摂取量(p=0.023),脂質摂取量(p=0.037),動物性脂質摂取量(p=0.024),卵類(p=0.031),乳類(p=0.027),油脂類(p=0.029)が有意に低値を示した。さらに,舌圧が基準値未満の者は基準値以上の者に比べ,現体重1kgあたりの食塩摂取量が有意に高値を示した(p=0.038)。つまり,舌口唇運動機能の低下は動物性食品を中心としたたんぱく質・脂質摂取量低下と関連する可能性が示された。また,舌圧の低下は食塩摂取量の増加と関連する可能性が示された。 (COI開示:なし)(大阪樟蔭女子大学研究倫理委員会、承認番号30-04、19-6)
無床診療所通院患者における口腔機能とエネルギー・栄養素摂取量ならびに食品群別摂取量についての関係を明らかにすることを目的とした。
【方法】
4つの無床診療所に通院している65歳以上の患者のうち,研究の趣旨に同意が得られた385名(男性161名、女性224名、年齢76.8±6.2歳)を対象とした。調査項目は,身体測定,舌口唇運動機能,舌圧,簡易型自記式食事歴法質問票を用いた栄養食事調査である。
【結果と考察】
舌口唇運動機能,舌圧が基準値未満の者は基準値以上の者に比べ,年齢が有意に高値を示した(p=0.001)。また,舌圧が基準値未満の者は基準値以上の者に比べ,体重(p<0.001),BMI(p<0.001)が有意に低値を示した。梅本らは,口の些細な衰えは食欲の低下,栄養状態の悪化に繋がると報告している。つまり,加齢に伴う筋肉量の減少・筋力の低下による舌圧の低下は,体格の変化や栄養状態の悪化に繋がる可能性が示された。また,栄養食事調査の結果では,舌口唇運動機能が基準値未満の者は基準値以上の者に比べ,現体重1kgあたりのたんぱく質摂取量(p=0.048),動物性たんぱく質摂取量(p=0.023),脂質摂取量(p=0.037),動物性脂質摂取量(p=0.024),卵類(p=0.031),乳類(p=0.027),油脂類(p=0.029)が有意に低値を示した。さらに,舌圧が基準値未満の者は基準値以上の者に比べ,現体重1kgあたりの食塩摂取量が有意に高値を示した(p=0.038)。つまり,舌口唇運動機能の低下は動物性食品を中心としたたんぱく質・脂質摂取量低下と関連する可能性が示された。また,舌圧の低下は食塩摂取量の増加と関連する可能性が示された。 (COI開示:なし)(大阪樟蔭女子大学研究倫理委員会、承認番号30-04、19-6)