[O4-1] 歯科外来における口腔機能の維持向上を目的とした栄養相談ツールの紹介
【目的】
近年歯科診療所の管理栄養士による栄養相談への関心が高まっているが,体制構築および相談方法が確立されておらず,栄養相談件数が増加しない。したがって,歯科診療所における栄養相談方法の確立は重要な課題である。当院の管理栄養部では相談方法の確立を目指し,「口腔の機能と食事のおはなし」と題して,患者に口腔機能の維持向上の重要性を知らしめることを目的とした栄養相談ツールを作成したので紹介する。
【方法】
「口腔の機能と食事のおはなし」には,口腔機能の低下予防の観点から,口腔機能低下症の診断項目ごとに,機能低下のリスク,機能低下を予防する方法を掲載した。口腔機能低下を予防する方法の1例としては,口腔トレーニングや口腔内の環境を考慮した食品の提案を掲載した。また,口腔内の問題により食べづらい時の食事の工夫や,義歯の時の食事方法の項目を挿入し,口腔機能の状況を考慮した食事の提案ができるページを作成した。自己チェックと継続的な相談を促すために,患者の食事状況のモニタリング,また患者とのコミュニケーションツールとして,患者が記入する欄と指導者が記入する欄を含めたチェックシートを導入している。既報のように当院の「外来栄養相談フローチャート」に従い,以上のツールを活用し栄養相談を実施した。相談時は体組成計を用いて体組成の測定,食事記録表を用いて栄養摂取状況の確認と評価も同時に行った。
【結果と考察】
2022年4月からの相談実績は新規,継続併せて82件であった。そのうち7件の相談で当ツールを使用した。当ツールを使用した患者のうち,体重減少があった患者で3件に,体重増加と主訴の改善がみられた。また,当院に来院し,栄養相談の必要性があると判断される患者は,食欲の低下や体重減少があっても食事についての指導を受けていないことが多い。このような場合に口腔機能の維持向上を目的とした栄養相談ツールを用いて歯科クリニックに来院した患者を栄養相談することで,患者が口腔機能の重要性に気付くことができたと考える。栄養相談ツール「口腔の機能と食事のおはなし」の有用性について,さらに症例を増やして検討する。(COI開示:なし,倫理審査対象外)
近年歯科診療所の管理栄養士による栄養相談への関心が高まっているが,体制構築および相談方法が確立されておらず,栄養相談件数が増加しない。したがって,歯科診療所における栄養相談方法の確立は重要な課題である。当院の管理栄養部では相談方法の確立を目指し,「口腔の機能と食事のおはなし」と題して,患者に口腔機能の維持向上の重要性を知らしめることを目的とした栄養相談ツールを作成したので紹介する。
【方法】
「口腔の機能と食事のおはなし」には,口腔機能の低下予防の観点から,口腔機能低下症の診断項目ごとに,機能低下のリスク,機能低下を予防する方法を掲載した。口腔機能低下を予防する方法の1例としては,口腔トレーニングや口腔内の環境を考慮した食品の提案を掲載した。また,口腔内の問題により食べづらい時の食事の工夫や,義歯の時の食事方法の項目を挿入し,口腔機能の状況を考慮した食事の提案ができるページを作成した。自己チェックと継続的な相談を促すために,患者の食事状況のモニタリング,また患者とのコミュニケーションツールとして,患者が記入する欄と指導者が記入する欄を含めたチェックシートを導入している。既報のように当院の「外来栄養相談フローチャート」に従い,以上のツールを活用し栄養相談を実施した。相談時は体組成計を用いて体組成の測定,食事記録表を用いて栄養摂取状況の確認と評価も同時に行った。
【結果と考察】
2022年4月からの相談実績は新規,継続併せて82件であった。そのうち7件の相談で当ツールを使用した。当ツールを使用した患者のうち,体重減少があった患者で3件に,体重増加と主訴の改善がみられた。また,当院に来院し,栄養相談の必要性があると判断される患者は,食欲の低下や体重減少があっても食事についての指導を受けていないことが多い。このような場合に口腔機能の維持向上を目的とした栄養相談ツールを用いて歯科クリニックに来院した患者を栄養相談することで,患者が口腔機能の重要性に気付くことができたと考える。栄養相談ツール「口腔の機能と食事のおはなし」の有用性について,さらに症例を増やして検討する。(COI開示:なし,倫理審査対象外)