The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター発表)

一般演題(ポスター発表) » [ポスター発表1] 実態調査

ポスター発表1
実態調査

Sat. Jun 17, 2023 10:00 AM - 10:30 AM ポスター会場 (1階 G3)

座長:尾崎 由衛(歯科医院 丸尾崎)

[P01] 愛媛大学医学部附属病院歯科口腔外科・矯正歯科外来患者における口腔機能低下症の調査

○本釜 聖子1、武田 紗季2 (1. 愛媛大学医学部附属病院 歯科口腔外科・矯正歯科、2. 愛媛大学大学院医学系研究科 口腔顎顔面外科学講座)

【目的】
 愛媛大学医学部附属病院歯科口腔外科・矯正歯科外来患者における,口腔機能低下症の罹患率と治療中の疾患の実態について調査したので報告する。
【方法】
 当院歯科口腔外科・矯正歯科を2022 年4 月から2022 年11 月までの間に受診した患者で,口腔機能精密検査を実施した成人106 人(男性 54 人,女性 52 人,平均年齢69±10 歳)を対象とした。口腔不潔は,視診による舌苔スコア,口腔乾燥は口腔水分計ムーカスによる口腔湿潤度,咬合力は残存歯数,舌口唇運動機能はオーラルディアドコキネシス,低舌圧は最大舌圧,咀嚼機能はグルコース溶出量,嚥下機能はEAT-10を実施した。また,現病歴について医療面接および診療録より調査を行った。分析は,口腔機能低下症の罹患率と治療中の疾患別の該当項目数,該当率を算出し関係性について検討した。
【結果と考察】
 口腔機能低下症は,45.3 %に認めた。該当項目数平均は2.4項目であった。各項目の該当率は口腔不潔3.8%,口腔乾燥29.2%,咬合力低下54.7%,低舌圧58.5%,舌口唇運動機能低下62.3%,咀嚼機能低下22.6%,嚥下機能低下13.2%であった。治療中の疾患は,口腔癌群30人,頭頸部癌群(口腔癌を除く)8人,頭頸部以外の癌群28人,癌以外の疾患群35人,疾患なし群5人にわけた。疾患別の口腔機能低下症罹患率は,口腔癌群66.7%,頭頸部癌群(口腔癌を除く)群50%,頭頸部以外の癌群46.4%,他疾患群31.4%,疾患なし群0%であった。該当項目数平均は,口腔癌群3.2項目,頭頸部癌(口腔癌を除く)群2.8項目,頭頸部以外の癌群2.1項目,他疾患群2.1項目,疾患なし群0.4項目であった。口腔癌群では,口腔不潔以外の項目で,頭頸部癌群(口腔癌を除く)では,咬合力低下,咀嚼機能低下以外の項目で該当率平均より高かった。頭頸部以外の癌群では舌圧が,癌以外の疾患群では咬合力低下が該当率平均より高かった。疾患なし群はすべての項目で該当率平均を下回っていた。
 本研究の結果より,口腔機能低下症罹患率は,癌罹患群では高い傾向にあり,疾患なし群では低いことが明らかとなった。今後は,被検者数を増やし,各疾患の口腔機能低下症の特徴を捉えることができるよう調査を進める。
(COI開示:なし)
(愛媛大学 倫理審査委員会承認番号 2110014号)