The 34th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター発表)

一般演題(ポスター発表) » [ポスター発表10] 地域歯科医療/介護・介護予防

ポスター発表10
地域歯科医療/介護・介護予防

Sun. Jun 18, 2023 10:25 AM - 10:45 AM ポスター会場 (1階 G3)

座長:伊原 良明(昭和大学歯学部口腔健康管理学講座口腔機能リハビリテーション医学部門)

[P52] 泡ハミガキを利用した含嗽による口腔機能向上訓練法の効果実感

○朝田 和夫1、遠藤 眞美2、呉 明憲1、朝田 真理1、竹川 ひとみ1、長野 雅一1、野本 たかと2 (1. あさだ歯科口腔クリニック(東京都)、2. 日本大学松戸歯学部障害者歯科学講座)

【目的】
 日常生活に定着しやすい口腔機能向上訓練法の検討を重ねてきた。すでに,歯みがき前の15秒間の含嗽訓練(以下,含嗽訓練)に関するランダム化比較試験を行い,含嗽訓練の口腔機能向上訓練法としての有用性を報告した1)。本試験では,泡ハミガキを用いた含嗽訓練が水を用いた含嗽訓練に比較して早期に効果が現れた結果となった。訓練の定着には,実施者の負担や効果実感が重要である。今回は,持続可能な含嗽訓練を検討するために含嗽内容による効果実感の違いなどを調査した。
【方法】
 対象は,2021年にあさだ歯科口腔クリニックに来院し、3か月間の含嗽訓練の介入試験に介入群として歯みがき前に水で含漱を行った20人(Ⅰ群),泡ハミガキ(薬用ピュオーラHb®)で含嗽をした22人(Ⅱ群)とした。 方法は,含嗽試験終了1年後(以下,1年後),対象者に対して自記式質問紙調査を行った。質問項目は,含嗽訓練に対する感想,含嗽訓練終了直後(以下,直後)および1年後の効果実感などとした。
【結果と考察】
 回答が得られたのはⅠ群19人,Ⅱ群21人であった。両群の8割が,歯みがき前の含嗽訓練の実施を大変ではないと回答した。含漱訓練を気持ちが良いとの回答者の割合は,Ⅰ群52%,Ⅱ群86%で有意差を認めた(p<0.01)。舌,口唇,頬の筋力向上の実感は,直後も1年後も両群ともに約4割に認められ,群間差はなかった。1年後のカラカラ感はⅠ群に比較してⅡ群で有意な改善を自覚していた(p<0.05)。歯みがき後の爽快感はⅡ群で約8割と高く有意差を認めた(p<0.05)。 本調査を通して泡ハミガキを利用した含漱訓練は負担なく気持ちよい方法であるとわかった。また,筋力向上の実感よりも,口腔乾燥所見や歯みがき時の爽快感を感じていた。 日常の歯みがき前に行う含嗽訓練に泡ハミガキを利用することは,気持ち良さや爽快感を感じられる心地よい口腔機能向上訓練となり,日常生活での円滑な定着の一助になる可能性が示唆された。
(COI開示:なし)
(老年歯科倫理2020-3番,日本大学松戸歯学部倫理審査委員会EC21-011)
(UMIN-CTR 臨床試験登録UMINUMIN000044996)
【文献】
1)朝田 和夫,遠藤 眞美,呉 明憲,朝田 真理,竹川 ひとみ,長野雅一,野本 たかと:口腔機能向上訓練方法として歯磨き前の含嗽は有効か?‐効果的な含嗽方法の検討-,老年歯科医学,37:129,2022.(抄)