[P66] 洗口液の使用による誤嚥性肺炎による入院予防に関する検討
【目的】
予備能力が低下している高齢者施設入所者は,肺炎,特に誤嚥性肺炎を発症する毎にADLやQOLが低下するため,口腔健康管理が重要視されている。当施設では,常勤歯科衛生士が指導をして1日3回の口腔のケアと,多職種によるミールラウンドを実施し誤嚥性肺炎の予防に努めている。さらなる予防のために,CPC配合製剤洗口液(以下洗口液)を口腔のケア時に使用した2年間の効果について報告する。
【方法】
入所者の1日3回の口腔のケア時に,洗口液を4プッシュ(10㏄)使用する。①自立の方は,歯磨き後洗口液での含嗽を促す。②一部介助の方は,介護職員による介助磨き後,洗口液での含嗽をすすめる。③全介助の方は,洗口液を歯ブラシにつけて磨き,洗口液を含ませたスポンジブラシや口腔ケアティッシュで汚れを回収する。以上の方法を介護職員・看護師に周知し2020年4月~2022年3月において実施した。対象者は,2019年度(洗口液使用なし)149名,平均年齢87.4歳,要介護度4.0,2020年度162名,平均年齢88.1歳,要介護度3.9,2021年度155名,平均年齢88.7歳,要介護度3.9であった。
【結果と考察】
肺炎による入院者数は洗口液使用前(2019年度)に16名(11%),洗口液使用後(2020~21年度)には34名(11%)であった。誤嚥性肺炎による入院者数は洗口液使用前(2019年度)に8名(5%),洗口液使用後(2020~21年度)には11名(3%)で,平均入院日数においては使用前34日,使用後18日に減少傾向(p<0.1)を示した。
CPC配合製剤の洗口液の使用により,口腔内細菌の繁殖が抑えられる。これが誤嚥性肺炎の入院日数の減少傾向になった可能性がある。臨床においては,舌苔の薄れ,口臭の減少を感じている。洗口液を使用したぶくぶくうがいを意識的に入所者にすすめることにより,口腔機能の維持につながり,入所者の口腔健康管理,誤嚥性肺炎の予防が期待できる。
(COI:開示なし)
(自治医科大学付属病院倫理委員会承認番号 臨大22-076)
予備能力が低下している高齢者施設入所者は,肺炎,特に誤嚥性肺炎を発症する毎にADLやQOLが低下するため,口腔健康管理が重要視されている。当施設では,常勤歯科衛生士が指導をして1日3回の口腔のケアと,多職種によるミールラウンドを実施し誤嚥性肺炎の予防に努めている。さらなる予防のために,CPC配合製剤洗口液(以下洗口液)を口腔のケア時に使用した2年間の効果について報告する。
【方法】
入所者の1日3回の口腔のケア時に,洗口液を4プッシュ(10㏄)使用する。①自立の方は,歯磨き後洗口液での含嗽を促す。②一部介助の方は,介護職員による介助磨き後,洗口液での含嗽をすすめる。③全介助の方は,洗口液を歯ブラシにつけて磨き,洗口液を含ませたスポンジブラシや口腔ケアティッシュで汚れを回収する。以上の方法を介護職員・看護師に周知し2020年4月~2022年3月において実施した。対象者は,2019年度(洗口液使用なし)149名,平均年齢87.4歳,要介護度4.0,2020年度162名,平均年齢88.1歳,要介護度3.9,2021年度155名,平均年齢88.7歳,要介護度3.9であった。
【結果と考察】
肺炎による入院者数は洗口液使用前(2019年度)に16名(11%),洗口液使用後(2020~21年度)には34名(11%)であった。誤嚥性肺炎による入院者数は洗口液使用前(2019年度)に8名(5%),洗口液使用後(2020~21年度)には11名(3%)で,平均入院日数においては使用前34日,使用後18日に減少傾向(p<0.1)を示した。
CPC配合製剤の洗口液の使用により,口腔内細菌の繁殖が抑えられる。これが誤嚥性肺炎の入院日数の減少傾向になった可能性がある。臨床においては,舌苔の薄れ,口臭の減少を感じている。洗口液を使用したぶくぶくうがいを意識的に入所者にすすめることにより,口腔機能の維持につながり,入所者の口腔健康管理,誤嚥性肺炎の予防が期待できる。
(COI:開示なし)
(自治医科大学付属病院倫理委員会承認番号 臨大22-076)