[SY11-1] 地域の歯科医院にできること
【略歴】
2002年 日本大学歯学部卒業
2004年 新潟大学歯学部附属病院 医員(研修医)修了
2004年 日本大学歯学部摂食機能療法学講座 非常勤医員
2006年 医療法人尚寿会大生病院歯科・歯科口腔外科 非常勤勤務
2006年 あわや歯科医院 勤務
2019年 あわや歯科医院 院長
日本老年歯科医学会 認定医・摂食機能療法専門歯科医師
東京都玉川歯科医師会 地域医療委員・保険委員
HCSD(ホームケアサポートデンティスト)会員
城南食支援研究会 代表
2002年 日本大学歯学部卒業
2004年 新潟大学歯学部附属病院 医員(研修医)修了
2004年 日本大学歯学部摂食機能療法学講座 非常勤医員
2006年 医療法人尚寿会大生病院歯科・歯科口腔外科 非常勤勤務
2006年 あわや歯科医院 勤務
2019年 あわや歯科医院 院長
日本老年歯科医学会 認定医・摂食機能療法専門歯科医師
東京都玉川歯科医師会 地域医療委員・保険委員
HCSD(ホームケアサポートデンティスト)会員
城南食支援研究会 代表
【抄録(Abstract)】
歯学部学生時代に摂食嚥下障害をもつ方の診療に携わりたいと考え,卒業後に摂食嚥下リハビリテーション外来を有し先進的な取り組みを実践していた新潟大学歯学部附属病院で研修を受けた。そこでは歯科診療の3本の柱となる「歯科治療,口腔ケア(口腔健康管理),摂食嚥下リハビリテーション」を学び,病院で働く多職種との連携,介護施設や患者宅への訪問診療を経験し,歯科医療が多くの方に必要とされていることを実感することが出来た。
2004年から東京都内の歯科診療所に勤務し,研修医時代に学んだことを活かして外来・訪問診療を開始したが,大学病院と地域とのギャップを痛感することになった。ケアマネジャーや主治医は歯科訪問診療を齲歯や歯周病の治療,破損した義歯の修理など応急的なものが主であると考えており,大学病院で日々実施していた「摂食嚥下障害に対するリハビリテーション」や「誤嚥性肺炎の予防にもなる口腔ケア」は地域ではほとんど認識されていなかった。その重要性を訴えても歯科診療所に勤務する若い歯科医師の発言に耳を傾けて下さる方は少なかった。しかし,日本が超高齢社会に突入し,要介護高齢者の誤嚥性肺炎や低栄養の問題に社会が関心を持つようになり,医療・介護保険制度においても先人の尽力のお陰で口腔ケアや摂食嚥下リハビリテーションを後押しするような改正が行われ,自分なりには関わりを持った他職種との情報共有を継続的に行い,周囲の認識は大きく変わっていった。
これまで地域での診療や社会活動を行ってきて,苦しんだり悩んだりした時に恩師からの教えや自分と同じく地域で訪問診療に取り組む歯科医師(仲間)からの助言や励ましは大きな支えとなった。
現在,当院への訪問診療の依頼は患者家族,ケアマネジャー,医師,看護師,管理栄養士,言語聴覚士,介護福祉士からが多く,その内容は歯科治療から摂食嚥下障害のある患者の評価とリハビリテーションや終末期患者への口腔ケアなど様々である。
多職種連携が進むと他職種からの情報や協力を得て幅広く効果的な患者への支援が可能になり,やりがいをより多く感じるようになった。また,多職種協同で取り組んでいると,私たちが日々行っている歯科医療に対して患者だけでなく他職種からもその重要性や感謝の言葉を頂くことがあり,歯科医療をここまで発展させて下さった先人への感謝の念を強く抱くようになった。
今後,診療や社会活動を継続して患者を支え地域へ貢献すること,自分が先人から教わってきたことを後人へと繋ぐことを少しでも多く実現していきたい。
歯学部学生時代に摂食嚥下障害をもつ方の診療に携わりたいと考え,卒業後に摂食嚥下リハビリテーション外来を有し先進的な取り組みを実践していた新潟大学歯学部附属病院で研修を受けた。そこでは歯科診療の3本の柱となる「歯科治療,口腔ケア(口腔健康管理),摂食嚥下リハビリテーション」を学び,病院で働く多職種との連携,介護施設や患者宅への訪問診療を経験し,歯科医療が多くの方に必要とされていることを実感することが出来た。
2004年から東京都内の歯科診療所に勤務し,研修医時代に学んだことを活かして外来・訪問診療を開始したが,大学病院と地域とのギャップを痛感することになった。ケアマネジャーや主治医は歯科訪問診療を齲歯や歯周病の治療,破損した義歯の修理など応急的なものが主であると考えており,大学病院で日々実施していた「摂食嚥下障害に対するリハビリテーション」や「誤嚥性肺炎の予防にもなる口腔ケア」は地域ではほとんど認識されていなかった。その重要性を訴えても歯科診療所に勤務する若い歯科医師の発言に耳を傾けて下さる方は少なかった。しかし,日本が超高齢社会に突入し,要介護高齢者の誤嚥性肺炎や低栄養の問題に社会が関心を持つようになり,医療・介護保険制度においても先人の尽力のお陰で口腔ケアや摂食嚥下リハビリテーションを後押しするような改正が行われ,自分なりには関わりを持った他職種との情報共有を継続的に行い,周囲の認識は大きく変わっていった。
これまで地域での診療や社会活動を行ってきて,苦しんだり悩んだりした時に恩師からの教えや自分と同じく地域で訪問診療に取り組む歯科医師(仲間)からの助言や励ましは大きな支えとなった。
現在,当院への訪問診療の依頼は患者家族,ケアマネジャー,医師,看護師,管理栄養士,言語聴覚士,介護福祉士からが多く,その内容は歯科治療から摂食嚥下障害のある患者の評価とリハビリテーションや終末期患者への口腔ケアなど様々である。
多職種連携が進むと他職種からの情報や協力を得て幅広く効果的な患者への支援が可能になり,やりがいをより多く感じるようになった。また,多職種協同で取り組んでいると,私たちが日々行っている歯科医療に対して患者だけでなく他職種からもその重要性や感謝の言葉を頂くことがあり,歯科医療をここまで発展させて下さった先人への感謝の念を強く抱くようになった。
今後,診療や社会活動を継続して患者を支え地域へ貢献すること,自分が先人から教わってきたことを後人へと繋ぐことを少しでも多く実現していきたい。