[SY6-2] 摂食嚥下スクリーニング検査
【略歴・役職】
2004年3月 日本大学歯学部卒業
2008年3月 日本大学大学院歯学研究科歯科基礎系専攻修了(歯学博士)
2008〜2012年 日本大学歯学部摂食機能療法学講座 助教
2010〜2012年 カナダオンタリオ州 ウェスタン大学健康科学学部コミュニケーション科学機能科 Postdoctoral fellow
2017年〜 日本大学歯学部摂食機能療法学講座 准教授
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 認定士
日本老年歯科医学会 認定医
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 評議員
2004年3月 日本大学歯学部卒業
2008年3月 日本大学大学院歯学研究科歯科基礎系専攻修了(歯学博士)
2008〜2012年 日本大学歯学部摂食機能療法学講座 助教
2010〜2012年 カナダオンタリオ州 ウェスタン大学健康科学学部コミュニケーション科学機能科 Postdoctoral fellow
2017年〜 日本大学歯学部摂食機能療法学講座 准教授
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 認定士
日本老年歯科医学会 認定医
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 評議員
【抄録(Abstract)】
日本大学歯学部摂食機能療法学講座では,2012年から第6学年に有病高齢者および摂食機能障害患者に対する対応や摂食機能療法の習得と体験を目的とし,相互実習を含めた基礎実習と診療内容の見学を主とした参加型臨床実習を実施している。実習は,週1回の基礎実習(半日3時間)と週2回(終日2日間)の臨床実習である。
基礎実習では,摂食機能障害患者を想定した①口腔ケア②嚥下間接訓練と摂食嚥下スクリーニング検査③嚥下造影検査と嚥下内視鏡検査による摂食嚥下機能の画像診断の相互実習に加え,④多職種連携や胃瘻に関わる課題によるKJ法⑤在宅療養中有病高齢者の顎歯模型と症例の提示による治療計画の立案による学生同士のグループディスカッション⑥在宅診療教育用高齢者シュミレータを用いたOSCE形式による実習試験を実施している。
一方,週2回の臨床実習は,外来,病棟・居宅や施設への訪問診療への同行と,見学症例に関する口頭試問及びフィードバックを行った。これらの実習は卒前教育として,学生の理解度や手技の習得度も高く,学生からの評価も高かった。
令和3年から第5学年の臨床実習に組み込まれることとなったが,新型コロナウイルス感染拡大に伴い学年全体の相互実習及び施設・医科病院への訪問診療が困難となったため,3〜4名を1班とした少人数に対する臨床実習(相互実習と外来見学及び介助)に実習内容を変更した。コロナ禍における相互実習は,感染予防対策の観点から摂食嚥下スクリーニング検査のみを実施することとした。術者役と患者役を決め,十分な感染対策を講じた上で嚥下スクリーニング検査を行なった。コロナ禍における実習では多くの制限があり,実習内容も限定的となることから,実際に実習を行なった結果は「学生への教育効果という点で十分ではない」というのが教員間で一致している見解であった。中でも臨床実習で学ぶべき患者とコミュニケーションをとるという経験が圧倒的に少なく,術者役になった時に患者役の学生にどのように声掛けや指示をすれば良いのか,検査結果をどのように説明するのかわからず困惑する場面が多く見受けられた。また,患者への指示をしながら機能の評価をすることが非常に難しいということも明らかとなった。本学会の『診療参加型臨床実習マニュアル「摂食嚥下障害のスクリーニング検査」』には,当講座が過去に実施してきた内容が網羅されており,指導者と学生にとって有意義である。各大学の実習内容に合わせて,効果的に活用することで,より充実した診療参加型実習を実施できると考える。
日本大学歯学部摂食機能療法学講座では,2012年から第6学年に有病高齢者および摂食機能障害患者に対する対応や摂食機能療法の習得と体験を目的とし,相互実習を含めた基礎実習と診療内容の見学を主とした参加型臨床実習を実施している。実習は,週1回の基礎実習(半日3時間)と週2回(終日2日間)の臨床実習である。
基礎実習では,摂食機能障害患者を想定した①口腔ケア②嚥下間接訓練と摂食嚥下スクリーニング検査③嚥下造影検査と嚥下内視鏡検査による摂食嚥下機能の画像診断の相互実習に加え,④多職種連携や胃瘻に関わる課題によるKJ法⑤在宅療養中有病高齢者の顎歯模型と症例の提示による治療計画の立案による学生同士のグループディスカッション⑥在宅診療教育用高齢者シュミレータを用いたOSCE形式による実習試験を実施している。
一方,週2回の臨床実習は,外来,病棟・居宅や施設への訪問診療への同行と,見学症例に関する口頭試問及びフィードバックを行った。これらの実習は卒前教育として,学生の理解度や手技の習得度も高く,学生からの評価も高かった。
令和3年から第5学年の臨床実習に組み込まれることとなったが,新型コロナウイルス感染拡大に伴い学年全体の相互実習及び施設・医科病院への訪問診療が困難となったため,3〜4名を1班とした少人数に対する臨床実習(相互実習と外来見学及び介助)に実習内容を変更した。コロナ禍における相互実習は,感染予防対策の観点から摂食嚥下スクリーニング検査のみを実施することとした。術者役と患者役を決め,十分な感染対策を講じた上で嚥下スクリーニング検査を行なった。コロナ禍における実習では多くの制限があり,実習内容も限定的となることから,実際に実習を行なった結果は「学生への教育効果という点で十分ではない」というのが教員間で一致している見解であった。中でも臨床実習で学ぶべき患者とコミュニケーションをとるという経験が圧倒的に少なく,術者役になった時に患者役の学生にどのように声掛けや指示をすれば良いのか,検査結果をどのように説明するのかわからず困惑する場面が多く見受けられた。また,患者への指示をしながら機能の評価をすることが非常に難しいということも明らかとなった。本学会の『診療参加型臨床実習マニュアル「摂食嚥下障害のスクリーニング検査」』には,当講座が過去に実施してきた内容が網羅されており,指導者と学生にとって有意義である。各大学の実習内容に合わせて,効果的に活用することで,より充実した診療参加型実習を実施できると考える。