The 35th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師更新ポスター

[摂食更新P-07] 介護老人福祉施設における歯科診療および経口摂取支援の取り組み

○井口 達也1,2 (1. 東京歯科大学千葉歯科医療センター、2. 千葉(医療法人社団千歯会片貝デンタルクリニック))

【目的】
 2022年から千葉県内の介護老人福祉施設の入居者69名(平均83.5±8.70歳、男性25名:女性44名)に対し、開設当初から歯科治療及びミールラウンドを通じて経口摂取支援を行っている。今回、当院で実施している取り組みを報告する。
【方法】
 2022年5月から2023年12月までの間でまず開設当初に摂食嚥下機能に関する内容や口腔清掃方法について、職員全体に指導を実施した。同意の得られた患者に対し歯科治療のほか日本語版Oral Health Assessment Tool (OHAT)を使用し、6か月ごとに評価を行い経時的な推移を施設職員と共有した。拒否が強い・全身状態が悪化している、スコアが高いなど口腔衛生管理が困難な患者について個別に指導した。経口摂取支援に関しては、職員が摂食嚥下機能に問題がある患者を抽出、情報を精査の上、ミールラウンドを計18回実施した。その際、誤嚥を疑った患者に対し嚥下内視鏡検査(VE)を実施し、職員等が立ち合い検査結果を書面にて共有し対応方法の検討を行った。
【結果と考察】
 OHATの推移は、初回時は中央値[四分位範囲]5[3-6]だったが、半年後は3[2-4]で、1年後は3[1.25-3]と低値が維持された。数値化された指標を用い口腔衛生管理を行うことで、患者の口腔状態を施設職員にフィードバックでき、良好な口腔衛生管理の維持に寄与したと考える。31名を対象としミールラウンドを計18回実施、1人当たり平均実施回数は3回だった。問題点として認知機能の対応、食事環境・介助、口腔機能、むせる、食形態が適切か等があった。ミールラウンド中に誤嚥を疑い、VEをおこなった患者は5件で、3名に誤嚥を認めた。1名は原疾患として進行性核上性麻痺があり、主治医にコンサル中に他科疾患が見つかり療養病棟を有する病院へ転院となった。2名は認知症進行から生じる嚥下機能低下によりVEで安静時の唾液誤嚥のほか、食事時間延長に伴い検査食による誤嚥の陰性所見を認めた。そのため、口腔衛生管理や食事時間の調整、疲労を考慮し食事回数の調整を行った。その後経口摂取の継続が困難となり、かかりつけ医・家族と相談の上、療養病棟を有する病院に転院した。ミールラウンドを通じた食支援を行い、VEによる精査を行うことで患者の状態に合わせて介入したと考える。
(COI 開示:なし)
(倫理審査対象外)