[LS1] カムカム健康プログラムDxを体験してみよう！-食育的オーラルフレイル予防Dxプロジェクト
【略歴】1999年 東京医科歯科大学歯学部 卒業，同大学院 高齢者歯科学分野 入局
2002年 ジョンズホプキンス大学医学部リハビリテーション講座 研究員
2005年 ジョンズホプキンス大学医学部リハビリテーション講座 講師
2008年 松本歯科大学障害者歯科学講座 准教授
2013年 藤田保健衛生大学医学部歯科 教授
2018年 藤田医科大学医学部歯科・口腔外科学講座 教授
2021年 東京医科歯科大学大学院地域・福祉口腔機能管理学分野 教授
2022年 東京医科歯科大学病院 オーラルヘルスセンター センター長（～現在）
JST 国際科学技術共同研究推進事業 戦略的国際共同研究プログラム（SICORP） 国際産学連携 日本－スウェーデン共同研究課題「自立高齢者を増やすための革新的食品提供システムの開発」，研究代表者（第1期：2017－2019，第2期2019－2023）
AMED ヘルスケア社会実装基盤整備事業「継続的な行動変容を促す食育的オーラルフレイル予防Dxプロジェクト」，研究代表者（2023－現在）
【抄録（Abstract）】
近年の日本を中心とした多くの観察研究により，高齢期における口腔機能の低下（オーラルフレイル，OF）が，栄養障害やフレイルの一因であることが明らかとなった。これらの多くのエビデンスの蓄積により，内閣府の経済財政運営と改革の基本方針2023，いわゆる骨太の方針においても，「オーラルフレイル対策につながる口腔健康管理の充実」が提言されている。近年さらにOFや口腔機能の低下に対する介入効果の報告も増えてきている。次の課題は，これらの介入試験の社会実装化とその検証（実装研究）ではないかと考える。ただ，厳格な選択・除外基準のもとで検証された無作為化試験の結果は，現実社会のデータとは異なることが指摘されることがある。Lane-Fall（2019）らは，Subway lineモデルとして，実装研究（implementation science）の考え方を示している。
われわれは，口の健康・咀嚼・栄養の行動変容を狙ったOF対策複合プログラムとして，「カムカム健康プログラム（Comprehensive Awareness Modification of Mouth, Chewing And Meal (CAMCAM) program, CAMCAM-P」を提唱，検証してきた。JST戦略的国際共同研究プログラムのもとで，12週間の短期集約プログラムによる口腔機能と全身機能の改善がランダム化比較試験にて示された（Kito N, 2019; Matsuo K, 2020）。次に，地域保健活動として展開しやすいプログラムを目指し，月に1回，噛む食感と栄養をコンセプトとしたカムカム弁当を食べながらみんなで学ぶことで，参加者のOFやフレイルの改善や，咀嚼への意識変容の効果がみられた（Hidaka R, 2023）。
2023年度より，AMEDヘルスケア社会実装基盤整備事業のもとで，「オンサイトで集まり学び，オンラインで繋がり学ぶ」をコンセプトに，導入障壁の低いLINEアプリ併用による取組へのアドヒアランス向上と行動変容の継続効果を検証している。2023年の検証では，参加者（平均年齢70歳）の85％がLINEアプリを使用可能であった。LINEアプリ上で調査項目を入力してもらうことで，情報のオンラインデータベース一括管理と，利用者へのOFリスクの半自動結果報告，リッチメニューからのAI相談や講義動画視聴が可能となっている。2024年度では，対象者や参加団体それぞれへのプログラム実施結果のレポート作成システムも開発中であり，全国各地の自治体や大学，歯科医師会などと協力してプログラムを実施する予定である。
今回のセミナーは，実際にカムカム弁当を食べながら，カムカムアプリを触ってもらうCAMCAM-Dx体験セミナーの仕様となっています。皆さまのご参加をお待ちしております。
近年の日本を中心とした多くの観察研究により，高齢期における口腔機能の低下（オーラルフレイル，OF）が，栄養障害やフレイルの一因であることが明らかとなった。これらの多くのエビデンスの蓄積により，内閣府の経済財政運営と改革の基本方針2023，いわゆる骨太の方針においても，「オーラルフレイル対策につながる口腔健康管理の充実」が提言されている。近年さらにOFや口腔機能の低下に対する介入効果の報告も増えてきている。次の課題は，これらの介入試験の社会実装化とその検証（実装研究）ではないかと考える。ただ，厳格な選択・除外基準のもとで検証された無作為化試験の結果は，現実社会のデータとは異なることが指摘されることがある。Lane-Fall（2019）らは，Subway lineモデルとして，実装研究（implementation science）の考え方を示している。
われわれは，口の健康・咀嚼・栄養の行動変容を狙ったOF対策複合プログラムとして，「カムカム健康プログラム（Comprehensive Awareness Modification of Mouth, Chewing And Meal (CAMCAM) program, CAMCAM-P」を提唱，検証してきた。JST戦略的国際共同研究プログラムのもとで，12週間の短期集約プログラムによる口腔機能と全身機能の改善がランダム化比較試験にて示された（Kito N, 2019; Matsuo K, 2020）。次に，地域保健活動として展開しやすいプログラムを目指し，月に1回，噛む食感と栄養をコンセプトとしたカムカム弁当を食べながらみんなで学ぶことで，参加者のOFやフレイルの改善や，咀嚼への意識変容の効果がみられた（Hidaka R, 2023）。
2023年度より，AMEDヘルスケア社会実装基盤整備事業のもとで，「オンサイトで集まり学び，オンラインで繋がり学ぶ」をコンセプトに，導入障壁の低いLINEアプリ併用による取組へのアドヒアランス向上と行動変容の継続効果を検証している。2023年の検証では，参加者（平均年齢70歳）の85％がLINEアプリを使用可能であった。LINEアプリ上で調査項目を入力してもらうことで，情報のオンラインデータベース一括管理と，利用者へのOFリスクの半自動結果報告，リッチメニューからのAI相談や講義動画視聴が可能となっている。2024年度では，対象者や参加団体それぞれへのプログラム実施結果のレポート作成システムも開発中であり，全国各地の自治体や大学，歯科医師会などと協力してプログラムを実施する予定である。
今回のセミナーは，実際にカムカム弁当を食べながら，カムカムアプリを触ってもらうCAMCAM-Dx体験セミナーの仕様となっています。皆さまのご参加をお待ちしております。