一般社団法人日本老年歯科医学会 第35回学術大会

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ランチョンセミナー5
咀嚼を測り健康を考える:キシリトール咀嚼チェックガムの活用

2024年6月30日(日) 12:00 〜 13:00 第2会場 (特別会議場)

座長:小野 高裕(大阪歯科大学 高齢者歯科学講座)

共催:株式会社ロッテ

[LS5-2] ロッテにおける「噛むこと」取り組みについて

○坂ノ下 典正1 (1. 株式会社ロッテ コーポレートコミュニケーション部 渉外課)

【略歴】
2001年 神戸大学大学院自然科学研究科修了
2001年 株式会社ロッテ 中央研究所 基礎研究部 分析研究課
2019年 株式会社ロッテ 中央研究所 噛むこと研究部 兼務
2020年 株式会社ロッテ コーポレートコミュニケーション部 渉外課 課長(現職)
2021年 和洋女子大学にて柳沢幸江教授指導のもと博士号(乙種:学術)取得
【抄録(Abstract)】
「噛むこと」は、健全な食生活を送る上で不可欠であり、幼少期では口腔機能の発達、高齢期では全身の健康の維持など、各ライフステージにおいて重要な意味を持つ。ロッテは1948年創業以来チューインガムを製造・販売している。ガムは一定の力とリズムでいつまでも噛み続けることができる特殊な食品である。ロッテでは、ガムの機能である「噛むこと」を通じて生活の質の向上に貢献することを目的とし、研究や啓発を中心とした活動を継続して行なってきた。ロッテは現在、2028年までのESG中期目標として「噛むことを意識して実践している人」及び「歯と口の健康のためにキシリトールを生活に取り入れている人」の割合を「健康維持のためウォーキングを実施する人」と同等の50%以上にすることを掲げ、社員意識を向上させ、各種機関と連携し、CSV活動をしている。
高齢者では、社会参画の機会の減少に伴い、口腔に対するリテラシーの低下に端を発し、オーラルフレイルや全身のフレイルの危険性が増加している。幼少期では、口腔を十分に動かす機会が減少し、口腔機能発達不全症に至るケースが増えており、社会的な問題となっている。ロッテはこのような現状を危惧し、研究者や地方自治体、歯科医師会と連携して、「噛むこと」と「キシリトール」を活用し、生活者の口腔状態を守るための活動を継続している。本セミナーでは、ロッテにおける最近の活動内容について、産官学との連携に基づくものなどを紹介する。咀嚼能力を手軽にチェックできる「咀嚼チェックガム・アプリ」に関する活動事例や、高齢者におけるオーラルフレイル予防とガム咀嚼の意義、幼児期の口腔発達・維持のための「フーセンガム」を活用した取り組み、キシリトールを活用した歯と口の健康に関する啓発活動「その歯と100年、キシリトールプロジェクト」などについて紹介する。