[O1-1] 口腔機能評価項目と嚥下障害との関連
【目的】
摂食嚥下障害の原因は,加齢,疾患,低栄養に伴う全身状態の低下のみならず,嚥下関連筋群の筋力低下や舌圧および口腔周囲の協調運動などの口腔機能との関連についても多くの報告が散見されるが,嚥下障害と口腔機能評価との関連をまとめた報告は少ない.そこでわれわれは,嚥下造影検査により診断された嚥下障害と口腔機能評価項目との関連性について調査した.
【方法】
2023年1月から12月に口腔リハビリテーションを専門とするクリニックに嚥下障害を主訴として外来初診受診した50歳以上の患者のうち, 抜歯等の口腔外科処置を依頼された患者を除く162名(男性88名,女性74名, 平均年齢75.0±12.0歳)を対象とした.このうち嚥下造影検査を施行した103名(男性62名,女性41名,平均年齢76.6±11.6歳)を解析対象者とした.調査項目は,原疾患,ADL,基本チェックリスト(以下KCL),栄養評価としてMNA-SF,口腔衛生状態,口腔湿潤度,咬合力,舌口唇運動機能,舌圧,咀嚼能力検査,EAT-10,Penetration-aspiration scale(以下PAS),摂食嚥下障害の重症度(以下FOIS)である.PASにより正常群,喉頭侵入群,誤嚥群の3群に分けて口腔機能評価項目についてKruskal-Wallis検定を用いて比較検討した.
【結果と考察】
疾患は脳血管疾患が22名(21.4%)で最も多く,以下,神経筋疾患,消化器疾患,精神疾患,認知症であった.各評価項目よりフレイルに該当した患者は62名(60.2%),低栄養に該当した患者は26名(25.2%)であった.PASによる良好群は61名(37.7%),喉頭侵入群は26名(25.2%),誤嚥群は16名(15.5%)であった。解析結果より3群間に有意な差が認められたのは,舌口唇運動機能,咀嚼能力検査,EAT-10であった.本研究結果より舌口唇の運動機能,咀嚼能力,嚥下機能は喉頭侵入,誤嚥に影響をすると考えられた.
(COI開示:なし)
(日本歯科大学生命歯学部倫理委員会承認番号:NDU-T2021-60)
摂食嚥下障害の原因は,加齢,疾患,低栄養に伴う全身状態の低下のみならず,嚥下関連筋群の筋力低下や舌圧および口腔周囲の協調運動などの口腔機能との関連についても多くの報告が散見されるが,嚥下障害と口腔機能評価との関連をまとめた報告は少ない.そこでわれわれは,嚥下造影検査により診断された嚥下障害と口腔機能評価項目との関連性について調査した.
【方法】
2023年1月から12月に口腔リハビリテーションを専門とするクリニックに嚥下障害を主訴として外来初診受診した50歳以上の患者のうち, 抜歯等の口腔外科処置を依頼された患者を除く162名(男性88名,女性74名, 平均年齢75.0±12.0歳)を対象とした.このうち嚥下造影検査を施行した103名(男性62名,女性41名,平均年齢76.6±11.6歳)を解析対象者とした.調査項目は,原疾患,ADL,基本チェックリスト(以下KCL),栄養評価としてMNA-SF,口腔衛生状態,口腔湿潤度,咬合力,舌口唇運動機能,舌圧,咀嚼能力検査,EAT-10,Penetration-aspiration scale(以下PAS),摂食嚥下障害の重症度(以下FOIS)である.PASにより正常群,喉頭侵入群,誤嚥群の3群に分けて口腔機能評価項目についてKruskal-Wallis検定を用いて比較検討した.
【結果と考察】
疾患は脳血管疾患が22名(21.4%)で最も多く,以下,神経筋疾患,消化器疾患,精神疾患,認知症であった.各評価項目よりフレイルに該当した患者は62名(60.2%),低栄養に該当した患者は26名(25.2%)であった.PASによる良好群は61名(37.7%),喉頭侵入群は26名(25.2%),誤嚥群は16名(15.5%)であった。解析結果より3群間に有意な差が認められたのは,舌口唇運動機能,咀嚼能力検査,EAT-10であった.本研究結果より舌口唇の運動機能,咀嚼能力,嚥下機能は喉頭侵入,誤嚥に影響をすると考えられた.
(COI開示:なし)
(日本歯科大学生命歯学部倫理委員会承認番号:NDU-T2021-60)