[O3-2] 独居高齢者における栄養摂取状況および口腔健康状態の実態調査
【目的】
高齢者における口腔機能の低下は栄養摂取量の低下と関連している。独居高齢者は同居高齢者と比べて栄養摂取量や食品摂取多様性が低下しやすいことが報告されている。本研究の目的は独居高齢者における食習慣や食品摂取の多様性,口腔健康状態の実態とその関連を明らかにすることである。
【方法】
地域在住の独居高齢者41名を対象に,栄養に関する質問紙調査および口腔機能検査を行った。調査項目は年齢,性別,介護認定の有無,指輪っかテスト,BMI,運動頻度,外出頻度,主観的生活状況,食事サービスの利用の有無,食事づくりの頻度,食欲,食事の楽しさ,共食頻度,主観的食生活満足度,食品摂取多様性スコア(以下,DVS),主観的咀嚼能力,現在歯数,義歯の使用の有無,咬合力および舌圧とした。DVSの0-5点をDVS低群(n=14),6-10点をDVS高群(n=27)として,身体機能,栄養および口腔機能について2群間を比較した。
【結果と考察】
DVS高群は低群と比べて,女性,生活状況に満足している,食事サービスをしていない,いつも食事作りをしている,食欲がある,食事が楽しいおよび食生活に満足している割合が有意に高かった(p=0.035, 0.026, 0.034, 0.003, 0.004)。DVS高群は低群と比べて10食品群すべてにおいて摂取していると回答した者の割合が高く,特に7食品群(牛乳,大豆製品,緑黄色野菜,果物,海藻類,いも類,油脂類)においてその差は統計学的に有意であった(p=0.006, 0.004, 0.013, p<0.01, p=0.023, 0.019, 0.004)。主観的咀嚼能力について,DVS高群は低群と比べて「噛める」と回答した者の割合が有意に高かった(p=0.013)。これらの結果から,独居高齢者における食品摂取多様性は「性別」「食事づくり」「咀嚼能力」「意欲・生活満足度」と関連することが明らかになった。したがって,独居高齢者における食事づくりの習慣や咀嚼能力の維持は食品の多様性を増やし,QOLを向上させる可能性が示唆された。
(COI 開示:なし)
(新潟大学 倫理審査委員会承認番号 2023-0050)
高齢者における口腔機能の低下は栄養摂取量の低下と関連している。独居高齢者は同居高齢者と比べて栄養摂取量や食品摂取多様性が低下しやすいことが報告されている。本研究の目的は独居高齢者における食習慣や食品摂取の多様性,口腔健康状態の実態とその関連を明らかにすることである。
【方法】
地域在住の独居高齢者41名を対象に,栄養に関する質問紙調査および口腔機能検査を行った。調査項目は年齢,性別,介護認定の有無,指輪っかテスト,BMI,運動頻度,外出頻度,主観的生活状況,食事サービスの利用の有無,食事づくりの頻度,食欲,食事の楽しさ,共食頻度,主観的食生活満足度,食品摂取多様性スコア(以下,DVS),主観的咀嚼能力,現在歯数,義歯の使用の有無,咬合力および舌圧とした。DVSの0-5点をDVS低群(n=14),6-10点をDVS高群(n=27)として,身体機能,栄養および口腔機能について2群間を比較した。
【結果と考察】
DVS高群は低群と比べて,女性,生活状況に満足している,食事サービスをしていない,いつも食事作りをしている,食欲がある,食事が楽しいおよび食生活に満足している割合が有意に高かった(p=0.035, 0.026, 0.034, 0.003, 0.004)。DVS高群は低群と比べて10食品群すべてにおいて摂取していると回答した者の割合が高く,特に7食品群(牛乳,大豆製品,緑黄色野菜,果物,海藻類,いも類,油脂類)においてその差は統計学的に有意であった(p=0.006, 0.004, 0.013, p<0.01, p=0.023, 0.019, 0.004)。主観的咀嚼能力について,DVS高群は低群と比べて「噛める」と回答した者の割合が有意に高かった(p=0.013)。これらの結果から,独居高齢者における食品摂取多様性は「性別」「食事づくり」「咀嚼能力」「意欲・生活満足度」と関連することが明らかになった。したがって,独居高齢者における食事づくりの習慣や咀嚼能力の維持は食品の多様性を増やし,QOLを向上させる可能性が示唆された。
(COI 開示:なし)
(新潟大学 倫理審査委員会承認番号 2023-0050)