[O3-6] 島根県の後期高齢者歯科口腔健診(LEDO健診)10年の歩みと今後の展望について
【目的】
島根県の後期高齢者歯科口腔健診(以下LEDO健診)は、今年で10年目となる。従来の歯科検診内容に留まらず、咀嚼・嚥下機能など口腔機能検査に加え、BMI 、下腿周囲長、握力などサルコペニア・低栄養のスクリーニングも行っている。さらに、孤食の有無などフレイルリスクも問診するなど、島根県オリジナルの内容で実施してきた。健診受診率は、11%前後で推移し、受診者総数は令和4年度までの累計で6万人余となる。健診データを用いた疫学研究や、令和5年度から後期高齢者医療広域連合・地元IT企業と取り組んだデジタル化事業(以下LEDOデジ化)も展開している。そこで、過去10年間のLEDO健診事業を振り返り、学会参加者のご意見を頂きたい。
【方法】
過去9年間の健診データを、個人情報保護体制を整え、特定の個人との対応不可の匿名加工情報として使用し受診者の状況を振り返る。
【結果と考察】
健診対象者は8年間で延べ520,150人、受診者総数は60,143人、受診率平均は11.6%だった。健診リピート率は、令和2年までのデータで、45%前後となっている。令和4年度受診者の46%が男性54%が女性だった。また、受診者の55.5%が歯科定期通院者で、歯科通院のない者への受診勧奨も課題と考える。令和5年度データが3月末頃に集計されるので学会報告時には、そのデータを含めた報告を予定している。レドデジ化について、昨年度参加医療機関の1/4にあたる60件の歯科医院が参加した。開始一ヶ月の使用者アンケートでは、27.5%が良い、35.3%がまあまあ良い、35.2%がまだわからないで、不満との回答は無かった。受診者の反応も、50%が良いで悪いとの回答はなく、「お口年齢」の評価が最も高かった。令和4年度のデータで、低栄養疑いの者の割合は、男性4.0%女性11.8%全体8.1%という結果となり、約12人に1人が低栄養疑いであった。LEDO健診の事後措置は、オーラルフレイルのみならず、サルコペニア・低栄養への対応も必要で、口腔・栄養・運動(リハビリテーション)が、一体化して対応する必要があり多職種連携が重要である。3月末には、島根県経口摂取支援研修会を開催し、地域課題の解決に向け圏域ごとのグループディスカッションを行う予定でいる。合わせて、報告したい。
(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)
島根県の後期高齢者歯科口腔健診(以下LEDO健診)は、今年で10年目となる。従来の歯科検診内容に留まらず、咀嚼・嚥下機能など口腔機能検査に加え、BMI 、下腿周囲長、握力などサルコペニア・低栄養のスクリーニングも行っている。さらに、孤食の有無などフレイルリスクも問診するなど、島根県オリジナルの内容で実施してきた。健診受診率は、11%前後で推移し、受診者総数は令和4年度までの累計で6万人余となる。健診データを用いた疫学研究や、令和5年度から後期高齢者医療広域連合・地元IT企業と取り組んだデジタル化事業(以下LEDOデジ化)も展開している。そこで、過去10年間のLEDO健診事業を振り返り、学会参加者のご意見を頂きたい。
【方法】
過去9年間の健診データを、個人情報保護体制を整え、特定の個人との対応不可の匿名加工情報として使用し受診者の状況を振り返る。
【結果と考察】
健診対象者は8年間で延べ520,150人、受診者総数は60,143人、受診率平均は11.6%だった。健診リピート率は、令和2年までのデータで、45%前後となっている。令和4年度受診者の46%が男性54%が女性だった。また、受診者の55.5%が歯科定期通院者で、歯科通院のない者への受診勧奨も課題と考える。令和5年度データが3月末頃に集計されるので学会報告時には、そのデータを含めた報告を予定している。レドデジ化について、昨年度参加医療機関の1/4にあたる60件の歯科医院が参加した。開始一ヶ月の使用者アンケートでは、27.5%が良い、35.3%がまあまあ良い、35.2%がまだわからないで、不満との回答は無かった。受診者の反応も、50%が良いで悪いとの回答はなく、「お口年齢」の評価が最も高かった。令和4年度のデータで、低栄養疑いの者の割合は、男性4.0%女性11.8%全体8.1%という結果となり、約12人に1人が低栄養疑いであった。LEDO健診の事後措置は、オーラルフレイルのみならず、サルコペニア・低栄養への対応も必要で、口腔・栄養・運動(リハビリテーション)が、一体化して対応する必要があり多職種連携が重要である。3月末には、島根県経口摂取支援研修会を開催し、地域課題の解決に向け圏域ごとのグループディスカッションを行う予定でいる。合わせて、報告したい。
(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)