[O7-5] 在宅患者に対する急性期病院による訪問口腔ケア
【目的】
いわゆる寝たきり等ADLの低下した患者は退院後の口腔ケアで訪問歯科を利用することが一般的であるが、その病状が重篤であるほど受け入れる診療所は少ない。当科では当院を退院した患者を中心に人工呼吸器装着中やADLの著しく低下した患者等、歯科診療所では訪問診療が困難な例を入院から引き続き、退院後も在宅での訪問口腔ケアを行っている。
今回、我々総合病院がこれまで行ってきた訪問口腔ケア(歯科診療)を集計・調査し、その意義や今後の課題について考察した。
【方法】
対象は当院が訪問口腔ケアを開始した2018年4月より2023年12月までの5年8か月の間に当科での訪問口腔ケアを介入した65名とし、その背景及び病名・ADL・口腔の衛生状態・口腔機能等について集計し検討を行った。
総退院数33,950名で自宅に退院した24,705名のうち自立24,549名、在宅医療の介入は156名であった。
【結果と考察】
上記期間の当院からの総退院数は33,950名でそのうち自宅に退院されたのは24,705名であり、その中で自立は24,549名で介護が必要な患者は156名(0.6%)であった。当科による訪問口腔ケアは、そのうち口腔ケア・摂食嚥下に問題のあった58名で、その他施設または個人から依頼のあった7名の計65名に対して行われていた。23名/65名中(35.4%)が難病患者であった。訪問口腔ケア介入中に誤嚥性肺炎を発症した患者は7名(10.8%)で、難病以外のほとんどの患者はADLが維持できていた。
急性期病院から自宅に退院した患者を急性期病院の歯科が継続して訪問診療を行うことは、①病状を把握したまま同じレベルのケアが可能となる、②医科への訪問診療所に診療情報提供がスムーズに行える、③患者や患者の家族が安心してケアを受けることが出来る、④新たに受け入れ可能な訪問歯科診療所を探す手間が省ける、⑤緊急時には総合病院にスムーズな受診が可能となる等、そのメリットは大きい。今回我々の訪問診療のデータを集計分析したところ、一定の成果があることが示唆された。
(COI 開示:なし)
(徳洲会グループ共同倫理審査委員会承認番号 TGE02403-064)
いわゆる寝たきり等ADLの低下した患者は退院後の口腔ケアで訪問歯科を利用することが一般的であるが、その病状が重篤であるほど受け入れる診療所は少ない。当科では当院を退院した患者を中心に人工呼吸器装着中やADLの著しく低下した患者等、歯科診療所では訪問診療が困難な例を入院から引き続き、退院後も在宅での訪問口腔ケアを行っている。
今回、我々総合病院がこれまで行ってきた訪問口腔ケア(歯科診療)を集計・調査し、その意義や今後の課題について考察した。
【方法】
対象は当院が訪問口腔ケアを開始した2018年4月より2023年12月までの5年8か月の間に当科での訪問口腔ケアを介入した65名とし、その背景及び病名・ADL・口腔の衛生状態・口腔機能等について集計し検討を行った。
総退院数33,950名で自宅に退院した24,705名のうち自立24,549名、在宅医療の介入は156名であった。
【結果と考察】
上記期間の当院からの総退院数は33,950名でそのうち自宅に退院されたのは24,705名であり、その中で自立は24,549名で介護が必要な患者は156名(0.6%)であった。当科による訪問口腔ケアは、そのうち口腔ケア・摂食嚥下に問題のあった58名で、その他施設または個人から依頼のあった7名の計65名に対して行われていた。23名/65名中(35.4%)が難病患者であった。訪問口腔ケア介入中に誤嚥性肺炎を発症した患者は7名(10.8%)で、難病以外のほとんどの患者はADLが維持できていた。
急性期病院から自宅に退院した患者を急性期病院の歯科が継続して訪問診療を行うことは、①病状を把握したまま同じレベルのケアが可能となる、②医科への訪問診療所に診療情報提供がスムーズに行える、③患者や患者の家族が安心してケアを受けることが出来る、④新たに受け入れ可能な訪問歯科診療所を探す手間が省ける、⑤緊急時には総合病院にスムーズな受診が可能となる等、そのメリットは大きい。今回我々の訪問診療のデータを集計分析したところ、一定の成果があることが示唆された。
(COI 開示:なし)
(徳洲会グループ共同倫理審査委員会承認番号 TGE02403-064)