[P-14] 地域在住健康高齢者の口腔内細菌数と口腔機能およびフレイルとの関連
【目的】
地域在住健常高齢者の口腔内細菌数と口腔機能低下症の診断項目との関連を明らかにし、フレイルとの関連を検討する。
【方法】
対象は、2023年10月に京都府K市で開催された体力測定会に参加した地域在住健常高齢者331名(男性56名,女性275名,57-91歳,平均78.6±6.05歳)である。調査項目は、基本チェックリスト(以下KCL)におけるフレイル(8点以上)またはプレフレイル(4~7点)および口腔関連3項目、栄養状態(Body Mass Index)、口腔機能低下症の診断項目である7項目(Tongue Coating Index(以下TCI),口腔粘膜湿潤度,残存歯数,オーラルディアドコキネシス,舌圧,咀嚼能力,EAT-10)であった。統計学的手法としてSpearmanの順位相関係数を用いて解析を行った。
【結果】
舌上から測定した口腔内細菌数の中央値は、1.5×107であり、25%タイル値8.6×106、75%タイル値2.6×107であった。男女差はなく、年齢との関連も認められなかった。口腔機能低下症の診断基準との関連において、TCI%(p<0.01,r=2.0)、残存歯数(p<0.01,r=0.18)、咀嚼能力(p<0.05,r=0.12)において有意な関連を認めたが、相関関係はほとんどなかった。他の項目については有意差、相関関係ともに認められなかった。KCLによるフレイルの存在(プレフレイル105名,フレイル17名)および口腔関連3項目と、口腔内細菌数との関連も認められなかった。
【考察】
舌上より測定される口腔内細菌数の健康高齢者における実態と分布が明らかになった。口腔内細菌数は肺炎の発症との関連(Kikutani,2015)や周術期口腔管理における口腔衛生の指標(Osako,2021)として有用であることが示されている。今回、口腔内細菌数単独ではフレイルとは関連を示さないことが明らかになった。さらに、口腔機能低下症における項目とは相関を示さなかったことから、舌上より測定される口腔内細菌数は、口腔機能低下症のいずれの項目とも独立して、口腔衛生状態不良の指標となることが明らかになった。
(COI開示:なし)
(日本歯科大学 倫理審査委員会承認番号 NDU-T2023-39)
地域在住健常高齢者の口腔内細菌数と口腔機能低下症の診断項目との関連を明らかにし、フレイルとの関連を検討する。
【方法】
対象は、2023年10月に京都府K市で開催された体力測定会に参加した地域在住健常高齢者331名(男性56名,女性275名,57-91歳,平均78.6±6.05歳)である。調査項目は、基本チェックリスト(以下KCL)におけるフレイル(8点以上)またはプレフレイル(4~7点)および口腔関連3項目、栄養状態(Body Mass Index)、口腔機能低下症の診断項目である7項目(Tongue Coating Index(以下TCI),口腔粘膜湿潤度,残存歯数,オーラルディアドコキネシス,舌圧,咀嚼能力,EAT-10)であった。統計学的手法としてSpearmanの順位相関係数を用いて解析を行った。
【結果】
舌上から測定した口腔内細菌数の中央値は、1.5×107であり、25%タイル値8.6×106、75%タイル値2.6×107であった。男女差はなく、年齢との関連も認められなかった。口腔機能低下症の診断基準との関連において、TCI%(p<0.01,r=2.0)、残存歯数(p<0.01,r=0.18)、咀嚼能力(p<0.05,r=0.12)において有意な関連を認めたが、相関関係はほとんどなかった。他の項目については有意差、相関関係ともに認められなかった。KCLによるフレイルの存在(プレフレイル105名,フレイル17名)および口腔関連3項目と、口腔内細菌数との関連も認められなかった。
【考察】
舌上より測定される口腔内細菌数の健康高齢者における実態と分布が明らかになった。口腔内細菌数は肺炎の発症との関連(Kikutani,2015)や周術期口腔管理における口腔衛生の指標(Osako,2021)として有用であることが示されている。今回、口腔内細菌数単独ではフレイルとは関連を示さないことが明らかになった。さらに、口腔機能低下症における項目とは相関を示さなかったことから、舌上より測定される口腔内細菌数は、口腔機能低下症のいずれの項目とも独立して、口腔衛生状態不良の指標となることが明らかになった。
(COI開示:なし)
(日本歯科大学 倫理審査委員会承認番号 NDU-T2023-39)