The 35th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

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教育(質疑応答)

Sat. Jun 29, 2024 10:40 AM - 11:40 AM ポスター会場 (大ホールC)

[P-15] 高齢者歯科教育が歯学生の高齢者への態度に及ぼす影響について

○髙田 紗理1、豊下 祥史1、菅 悠希1、川西 克弥1、越野 寿1 (1. 北海道医療大学歯学部咬合再建補綴学分野)

【目的】
 超高齢社会を迎えた日本において、歯科医療の場においても高齢者の患者が増加している。歯科大学における高齢者に関わる講義や実習の重要性も増していると考えられるが、そのカリキュラムによって学生の高齢者に対する考え方や治療への自信をどのように変化させているかを調査した研究はまだ少ない。
本研究では高齢者に関わる講義および臨床実習を実施する前と実施した後の本学歯学部学生に対し、高齢者への態度に関するアンケート調査を行い、その結果を分析することによって、本学部の高齢者歯科教育が学生の高齢者に対する態度にどのような変化を与えるかを検討した。
【方法】
 Google Form に高齢者に対する態度に関わるアンケート(Geriatric Attitudes Scale (GAS-14))、実習に関するアンケート(Specific Questions(SWISS DENTAL JOURNAL SSO VOL 131 2 P 2021))を、高齢者歯科学を履修する前の3、4年生、高齢者歯科学の講義と臨床実習を実施中の5年生およびそれらを終了した6年生に送信し、調査への参加を依頼した。得られた結果はChi-squared test(有意水準5%)によって統計分析を行い、学年間の比較を行った。
【結果と考察】
 高齢者に対する態度に関わるアンケートでは「ほとんどの高齢者は一緒にいて楽しい。」の項目について「そう思う」「とてもそう思う」割合が4年生で多く、6年生との間で回答の割合に有意な差が認められた。
実習に関するアンケートでは「私は指導者のいないところで高齢患者を治療することに自信がない。」の項目について5年生で「そう思わない」割合が増え、3年生との間で有意な差が認められた。高齢者に関わる臨床実習を実施した5年生で「そう思わない」割合が増加していることから、臨床実習での経験が高齢者の診療への自信に影響を与えている可能性が示された。
(COI開示:なし)
(北海道医療大学歯学倫理審査委員会承認番号 223)