[P-16] 訪問診療研修にオンラインを用いた学生教育の教育効果の検討
【目的】
東京医科歯科大学摂食嚥下リハビリテーション学分野では摂食嚥下機能評価を目的としたオンライン診療を導入しており、学生教育にそのノウハウを応用したオンラインでの訪問診療研修(以下オンライン研修)を実施している。オンライン研修は、大学側に参加者と説明を担う歯科医師、訪問先に診療を行う歯科医師とオンラインに対応する歯科医師を配置し、実際の診療を通信機器に映像としてつないで訪問診療に双方向的に参加するものである。本研究はプレポストテストやアンケートを用いて、オンライン研修の教育効果を明らかにすることを目的とした。
【方法】
2022年6月から2023年5月にかけて行われたオンライン研修に初めて参加した学部学生5~6年生を対象とした。研修はプレテスト、オンライン研修、ポストテスト、学習項目に関する理解度のアンケートの順で実施した。プレポストテストは摂食嚥下機能評価や多職種連携、オンライン診療などに関連する選択肢問題を7問設定した。アンケートは、研修内容をどの程度学べたかの5段階評価と自由筆記で回答する形式で、6問設定した。プレポストテストの単純集計を行い、合計点の比較をWilcoxon符号付順位和検定にて行った。アンケートは単純集計を行ったのち、自由筆記の記載事項をまとめた。なお本研究は、患者および施設に事前にオンライン研修を行うことの了承を得、学生にも研究への参加同意を得て実施している。
【結果と考察】
参加者は42名であった。プレテスト、ポストテストの平均点はそれぞれ4.6点(3.3-6.0)、5.3点(4.0‐6.0)点でポストテストの方が有意に高値であった(p<0.01)。正当率はポストテストで7割程度であった。摂食嚥下リハビリテーションの学習程度として9割以上がオンライン研修で「学べた」の選択肢を選んでいた。同部分の自由筆記項目には「嚥下内視鏡検査の画像を見て、とろみの量や食事形態、一回の摂取量を工夫すると安全に摂取できることが理解できた」という記載もあり、オンラインを用いた研修でも訪問診療への同行した際のような詳細な情報を得ることが可能であった。以上よりオンライン研修の教育効果の可能性が示された。今後も教育効果をふまえ研修方法についてさらなる改善を検討していきたい。
(COI開示:なし)(東京医科歯科大学統合教育機構倫理審査委員会:C2022-015)
東京医科歯科大学摂食嚥下リハビリテーション学分野では摂食嚥下機能評価を目的としたオンライン診療を導入しており、学生教育にそのノウハウを応用したオンラインでの訪問診療研修(以下オンライン研修)を実施している。オンライン研修は、大学側に参加者と説明を担う歯科医師、訪問先に診療を行う歯科医師とオンラインに対応する歯科医師を配置し、実際の診療を通信機器に映像としてつないで訪問診療に双方向的に参加するものである。本研究はプレポストテストやアンケートを用いて、オンライン研修の教育効果を明らかにすることを目的とした。
【方法】
2022年6月から2023年5月にかけて行われたオンライン研修に初めて参加した学部学生5~6年生を対象とした。研修はプレテスト、オンライン研修、ポストテスト、学習項目に関する理解度のアンケートの順で実施した。プレポストテストは摂食嚥下機能評価や多職種連携、オンライン診療などに関連する選択肢問題を7問設定した。アンケートは、研修内容をどの程度学べたかの5段階評価と自由筆記で回答する形式で、6問設定した。プレポストテストの単純集計を行い、合計点の比較をWilcoxon符号付順位和検定にて行った。アンケートは単純集計を行ったのち、自由筆記の記載事項をまとめた。なお本研究は、患者および施設に事前にオンライン研修を行うことの了承を得、学生にも研究への参加同意を得て実施している。
【結果と考察】
参加者は42名であった。プレテスト、ポストテストの平均点はそれぞれ4.6点(3.3-6.0)、5.3点(4.0‐6.0)点でポストテストの方が有意に高値であった(p<0.01)。正当率はポストテストで7割程度であった。摂食嚥下リハビリテーションの学習程度として9割以上がオンライン研修で「学べた」の選択肢を選んでいた。同部分の自由筆記項目には「嚥下内視鏡検査の画像を見て、とろみの量や食事形態、一回の摂取量を工夫すると安全に摂取できることが理解できた」という記載もあり、オンラインを用いた研修でも訪問診療への同行した際のような詳細な情報を得ることが可能であった。以上よりオンライン研修の教育効果の可能性が示された。今後も教育効果をふまえ研修方法についてさらなる改善を検討していきたい。
(COI開示:なし)(東京医科歯科大学統合教育機構倫理審査委員会:C2022-015)