[P-48] 唾液分泌促進の口腔関連QOL及びオーラルフレイル予防に対する効果
【目的】
昨今,健康意識の高まりとともにオーラルフレイル(OF)予防の取組みが推進されつつある。OFの指標である口腔乾燥感は唾液分泌量の減少が主な原因とされ,QOLにも影響する。そこで本研究では口腔関連QOLの向上及びOF予防に対する唾液分泌促進の有用性の他、口腔関連QOLやOFと健康意識の関連性について検討した。
【方法】
北大阪健康医療都市周辺に在住の口腔乾燥感を有する男女29名を対象に,唾液分泌促進作用を有する還元型コエンザイムQ10を配合したグミを8週間摂取させた。介入前後での口腔機能検査及びGOHAI,OF判定(OFI-8,OF-5質問項目の各合計点と判定)の評価と併せ,4週目に健康意識(健康関連用語の認知理解と口腔保健行動の実施状況)を調査し,健康意識とGOHAI,OF判定の相関解析の他,口腔機能検査値及びGOHAI,OF判定の変化を介入前後で確認した。統計処理は主にスピアマンの順位相関係数,対応のあるt検定,ウィルコクソンの符号付順位検定を用いた(有意水準5%未満)。
【結果と考察】
試験を完遂した25名(女性21名,平均62.9±13.1歳)で解析した。健康意識と介入前のGOHAIに正の相関が,OFI-8,OF-5の点数との間に負の相関がみられたことから健康意識が高い者は口腔関連QOLが高く,口腔機能も維持されていることが示唆された。また介入前後で刺激唾液分泌量が有意に増加(前5.6g-後6.3g/2min,p=0.026)したが,口腔粘膜湿潤度や咬合力に変化はなかった。GOHAIは介入により有意に改善(p=0.003)していた他,OFI-8,OF-5の点数及びOF該当者が有意に減少(p=0.016)していた。さらに刺激唾液分泌量の増加の有無で層別した結果,GOHAI,OF判定のいずれも増加者(18名)のみ介入後に改善がみられた。この結果から刺激唾液分泌量の増加が口腔関連QOLの向上やOFリスクの低減に寄与したことが示唆された。本研究から,啓発等により生活者の健康意識や口腔保健行動の実施頻度を高めること,食品等を活用して唾液分泌量を増加させることは口腔関連QOLの向上やOF予防に資する可能性があると考えられる。
(COI開示:なし)
(サンスター株式会社 妥当性評価委員会:承認番号23/上-13)
(UMIN-CTR臨床試験登録:UMIN000053880)
昨今,健康意識の高まりとともにオーラルフレイル(OF)予防の取組みが推進されつつある。OFの指標である口腔乾燥感は唾液分泌量の減少が主な原因とされ,QOLにも影響する。そこで本研究では口腔関連QOLの向上及びOF予防に対する唾液分泌促進の有用性の他、口腔関連QOLやOFと健康意識の関連性について検討した。
【方法】
北大阪健康医療都市周辺に在住の口腔乾燥感を有する男女29名を対象に,唾液分泌促進作用を有する還元型コエンザイムQ10を配合したグミを8週間摂取させた。介入前後での口腔機能検査及びGOHAI,OF判定(OFI-8,OF-5質問項目の各合計点と判定)の評価と併せ,4週目に健康意識(健康関連用語の認知理解と口腔保健行動の実施状況)を調査し,健康意識とGOHAI,OF判定の相関解析の他,口腔機能検査値及びGOHAI,OF判定の変化を介入前後で確認した。統計処理は主にスピアマンの順位相関係数,対応のあるt検定,ウィルコクソンの符号付順位検定を用いた(有意水準5%未満)。
【結果と考察】
試験を完遂した25名(女性21名,平均62.9±13.1歳)で解析した。健康意識と介入前のGOHAIに正の相関が,OFI-8,OF-5の点数との間に負の相関がみられたことから健康意識が高い者は口腔関連QOLが高く,口腔機能も維持されていることが示唆された。また介入前後で刺激唾液分泌量が有意に増加(前5.6g-後6.3g/2min,p=0.026)したが,口腔粘膜湿潤度や咬合力に変化はなかった。GOHAIは介入により有意に改善(p=0.003)していた他,OFI-8,OF-5の点数及びOF該当者が有意に減少(p=0.016)していた。さらに刺激唾液分泌量の増加の有無で層別した結果,GOHAI,OF判定のいずれも増加者(18名)のみ介入後に改善がみられた。この結果から刺激唾液分泌量の増加が口腔関連QOLの向上やOFリスクの低減に寄与したことが示唆された。本研究から,啓発等により生活者の健康意識や口腔保健行動の実施頻度を高めること,食品等を活用して唾液分泌量を増加させることは口腔関連QOLの向上やOF予防に資する可能性があると考えられる。
(COI開示:なし)
(サンスター株式会社 妥当性評価委員会:承認番号23/上-13)
(UMIN-CTR臨床試験登録:UMIN000053880)