The 35th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター発表) » 口腔機能-3

口腔機能-3(質疑応答)

Sat. Jun 29, 2024 2:20 PM - 3:20 PM ポスター会場 (大ホールC)

[P-49] 除脂肪量を簡易的体組成として用いるための口腔機能,サルコペニア,フレイルの関連の検討

○戸澤 聖也1、西 恭宏1、山下 裕輔1、櫻井 智章2、池田 菜緒1、原田 佳枝1、駒走 尚大1、宮田 春香1、村上 格2、西村 正宏1、濵野 徹1、中村 康典3 (1. 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科口腔顎顔面補綴学分野、2. 鹿児島大学病院成人系歯科センター義歯インプラント科、3. 独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター)

【目的】
 口腔機能低下とサルコペニアやフレイルの心身機能低下との関係が報告されている。地域での口腔機能管理は,口腔機能低下症として歯科医院で継続管理することが可能であるが,サルコペニアやフレイルを地域でピックアップすることには難しい現状がある。このことから,口腔機能と同様に身体的評価が歯科医院で実施できれば歯科からの医療貢献が可能と考えられるため,簡易型体組成計での計測を歯科医院で実施し,除脂肪量を身体的評価の一助とすることを検討している。当科では,口腔機能検査,体組成計測,サルコペニア・フレイルの診断を並行して行っていることから,今回,除脂肪量に対する口腔機能評価とサルコペニア,フレイルの関係をサルコペニア評価に用いられる四肢骨格筋量と対比して検討したので報告する。
【方法】
 2020年2月から2023年3月までの来院患者において,本研究に同意した53~89歳の患者246名を対象とした。口腔機能の検査は口腔機能低下症の代替検査を含めて14項目とし,体組成計測(InBody 470)により四肢骨格筋量(SMI)計測と除脂肪指数(FFMI)算出を行い,サルコペニアとフレイルの評価をそれぞれ2019年AWGS診断基準,改定J-CHS基準にて行った。統計は,spearmanの相関分析,重回帰分析,Mann-Whitney U testを用いた。
【結果と考察】
 FFMIとSMIは,かなり高い相関(r=0.912,p<0.001)を示し,ともに同じ口腔機能検査項目(プレスケール,舌圧,グルコセンサー,口唇圧)に有意な相関を示した。これらの有意な項目を独立変数としてFFMIを従属変数とした重回帰分析を行うと,舌圧のみが有意な関連(P=0.006)を示し,サルコペニアの有無に対する舌圧の関係と類似した。FFMIにおいても,SMIと同様にサルコペニアとフレイルの該当の有無による比較においては,該当群が有意に低値であった。
 これらのことから,FFMIは,筋肉量を直接計測できない簡易型体組成計から計測して口腔機能と関連する身体評価として利用できる可能性が示唆された。今後は,簡易型体組成計の精度的検証が必要である。
(COI開示:なし)
(鹿児島大学 疫学研究等倫理委員会承認番号 190165疫)