The 35th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

Presentation information

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター発表) » 実態調査-2

実態調査-2(質疑応答)

Sat. Jun 29, 2024 2:20 PM - 3:20 PM ポスター会場 (大ホールC)

[P-60] 千葉歯科医療センター開院後の摂食嚥下リハビリテーション科における臨床統計

○赤堀 元彦1、大久保 真衣1、三浦 慶奈2、仲谷 剛1、杉山 哲也1、石田 瞭1 (1. 東京歯科大学口腔健康科学講座摂食嚥下リハビリテーション研究室、2. 東京歯科大学 千葉歯科医療センター 摂食嚥下リハビリテーション科)

【目的】
1981年に歯科大学付属病院として開院した東京歯科大学千葉病院は、2018年に大学の東京移転に伴い人員を縮小して千葉歯科医療センターに移行した。2021年3月には地域との連携を重視し、適切な歯科医療を提供することを目的とした無床の新センターが開設され、現在に至っている。摂食嚥下リハビリテーション科は2008年7月に千葉病院内に新設されたが、現在のセンターにおいても継続して摂食嚥下障害患者の外来診療および訪問診療を行ってきた。当科開設から15年の間に診療体系が変化しただけではなく、社会状況の違いで患者背景も変化してきていると思われる。そこで新センター開設後の臨床統計を調査し、当科開設当初と比較することで、現状の把握と今後の対応について検討したので報告する。
【方法】
 2021年3月から2023年12月までの期間(以下、直近)の総患者数、居住地、紹介元、現病歴、摂食嚥下障害の原因主疾患、診療区分などのデータを収集した。さらに2008年7月から2009年12月までの期間(以下、当初)についても同様にデータを収集し、両者を比較検討した。
【結果と考察】
 直近の総患者数は508名であり、紹介元は医科が最も多く52%であった。現病歴は重複ありで認知症173名、脳血管疾患163名、廃用症候群120名で、摂食嚥下障害の主原因疾患は脳血管疾患が最も多かった。診療区分は訪問が外来よりも多く70%であった。当初のデータと比較すると、摂食嚥下障害の主原因疾患が脳血管疾患であるのに違いはなかったが、現病歴の認知症や廃用症候群が大幅に増えていた。これは社会全体の高齢化の影響が表れていると考えられる。一方で口腔がん術後の患者は減少したが、これは当センターが口腔がんの手術を行わず、病床も無くなったことの影響と考えられる。また、訪問診療における患者の紹介元としてケアマネージャーが増加してきている。訪問先の要介護高齢者は認知症や廃用を有する場合が多いが、低栄養に対する正確な知識と適切な対応をすることが、地域に密着した有意義な連携を取るために必要であると考える。(COI開示:なし)(東京歯科大学 倫理審査員会承認番号1199)