[P-88] 訪問歯科診療における情報通信技術(ICT)を利用したおたるワンチームの試み
【緒言・目的】
小樽市では平成29年度よりおたるワンチームという情報通信技術(ICT)を用いた多職種連携在宅医療を行うシステムを運用している。おたるワンチームの特徴は医療関係者だけでなく患者家族も参加している点にある。今回,訪問歯科診療も連携に加わりICTが効果的に利用された症例を報告する。
【症例および経過】
78歳男性。肝細胞癌脳転移により脳の手術をしたためADL低下,令和3年春ごろから左顔面麻痺・嚥下障害が進行したため,担当ケアマネージャーよりICT委員会を介して訪問歯科診療の申込があった。ICT委員の歯科衛生士による事前調査をもとに,食事状況などをワンチームに投稿してもらい,訪問歯科診療初診前に事前ミーティングを行った。訪問診療後も食事摂取時の状況を投稿してもらうことで指導内容が実践できているか確認できた。なお,本報告の発表について患者家族から文書による同意を得ている。
【考察】
小樽市は高齢化率が41.65%と北海道内主要都市の中では高齢化率が一番高い市となっている。この高齢化に対応すべく,在宅医療介護連携推進事業の一環として小樽市医師会が中心となっておたる地域包括ビジョン協議会が構成された。その取り組みの一つに,医療と介護が連携してICTの活用等により効果的に情報を共有し,在宅療養患者を支えるしくみとしておたるワンチームが推進されている。患者を中心としたページ構成となっており,関係する医療介護情報のみならず,医療従事者や患者家族も参加してSNSのようにコミュニケーションをとることができるのがワンチームの特徴となっている。今回の症例はおたるワンチームを介することで以下の利点があった。
1 事前に主治医やケアマネージャーの投稿を確認して患者情報をスムーズに得る事ができた。
2 患者の食事の状態,デイサービスでの食事摂取をワンチーム内の動画で確認でき,訪問時のテストフードの用意や食事介助法について事前ミーティングを行うことで訪問歯科診療を円滑に開始できた。
3 患者を中心としたネットワークのため,多職種の方々やご家族の投稿で患者やご家族を支えたい気持ちが一つになれることが実感でき,おたるワンチームを介した訪問歯科診療の重要性を認識できた。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)
小樽市では平成29年度よりおたるワンチームという情報通信技術(ICT)を用いた多職種連携在宅医療を行うシステムを運用している。おたるワンチームの特徴は医療関係者だけでなく患者家族も参加している点にある。今回,訪問歯科診療も連携に加わりICTが効果的に利用された症例を報告する。
【症例および経過】
78歳男性。肝細胞癌脳転移により脳の手術をしたためADL低下,令和3年春ごろから左顔面麻痺・嚥下障害が進行したため,担当ケアマネージャーよりICT委員会を介して訪問歯科診療の申込があった。ICT委員の歯科衛生士による事前調査をもとに,食事状況などをワンチームに投稿してもらい,訪問歯科診療初診前に事前ミーティングを行った。訪問診療後も食事摂取時の状況を投稿してもらうことで指導内容が実践できているか確認できた。なお,本報告の発表について患者家族から文書による同意を得ている。
【考察】
小樽市は高齢化率が41.65%と北海道内主要都市の中では高齢化率が一番高い市となっている。この高齢化に対応すべく,在宅医療介護連携推進事業の一環として小樽市医師会が中心となっておたる地域包括ビジョン協議会が構成された。その取り組みの一つに,医療と介護が連携してICTの活用等により効果的に情報を共有し,在宅療養患者を支えるしくみとしておたるワンチームが推進されている。患者を中心としたページ構成となっており,関係する医療介護情報のみならず,医療従事者や患者家族も参加してSNSのようにコミュニケーションをとることができるのがワンチームの特徴となっている。今回の症例はおたるワンチームを介することで以下の利点があった。
1 事前に主治医やケアマネージャーの投稿を確認して患者情報をスムーズに得る事ができた。
2 患者の食事の状態,デイサービスでの食事摂取をワンチーム内の動画で確認でき,訪問時のテストフードの用意や食事介助法について事前ミーティングを行うことで訪問歯科診療を円滑に開始できた。
3 患者を中心としたネットワークのため,多職種の方々やご家族の投稿で患者やご家族を支えたい気持ちが一つになれることが実感でき,おたるワンチームを介した訪問歯科診療の重要性を認識できた。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)