The 35th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター発表) » 連携医療・地域医療-4

連携医療・地域医療-4(質疑応答)

Sun. Jun 30, 2024 10:40 AM - 11:40 AM ポスター会場 (大ホールC)

[P-92] 脳血管疾患発症後に不顕性誤嚥が認められる在宅療養者に多職種で介入を行った症例

○大塚 晴奈1,2、宮本 佳宏1、伊藤 ことみ1,3、浅野 小羽1、近藤 有希1 (1. 医療法人一栄会結デンタル、2. 石原歯科医院、3. 今池歯科クリニック)

【緒言・目的】
 在宅医療において多職種が連携し,患者家族のQOLを維持向上することが重要である。今回,嚥下内視鏡検査で不顕性誤嚥が認められる在宅療養者に対して,多職種による口腔清掃の介入をしてから誤嚥性肺炎を発症していない1例を経験したので報告する。
【症例および経過】
 81歳,男性。胃癌,脳梗塞,認知症の既往あり。2021年5月に脳梗塞にて入院し,絶飲食,胃瘻造設となり8月に退院。ケアマネジャーより,在宅での経口摂取開始目的で当院に依頼あり。2021年11月嚥下内視鏡検査にて摂食嚥下障害臨床的重症度分類では食物誤嚥レベルであった。自力喀出を促す目的でカルシウム拮抗薬からACE阻害薬へ変更を主治医に依頼した。その後,家族,在宅医療チーム,通所介護による口腔清掃環境が充実し,咳嗽反射もみられるようになったことから,嚥下反射惹起を促すため氷舐め訓練を開始した。本人の意欲もあり,ice chip swallowや氷片の咀嚼嚥下による直接訓練も実施した。その後患者都合により転院したが,転院後も誤嚥性肺炎発症せず多職種連携は維持されている。なお,本報告の発表について患者及び家族から文書による同意を得ている。
【考察】
 氷舐め訓練はお茶氷やたんぱく質含有でない氷菓子を用いて本人,家族のモチベーションを維持している。本症例では歯科衛生士がICTを使用して多職種への情報共有と連携を行っている。また,他事業所からも口腔清掃に関する活発な情報共有により在宅医療チームだけでなく通所介護においても充実した口腔清掃が実施されている。この結果,誤嚥性肺炎を発症せず直接訓練を継続することができ,患者,家族のQOL維持向上に繋がっていると考えられた。(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)