一般社団法人日本老年歯科医学会 第35回学術大会

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シンポジウム1
病院と在宅・施設をつなぐ地域一体型の口腔機能管理を考える

2024年6月29日(土) 09:40 〜 11:40 第1会場 (大ホールAB)

座長:古屋 純一(昭和大学大学院 歯学研究科口腔機能管理学分野)、大野 友久(浜松市リハビリテーション病院 歯科)

企画:病院歯科委員会・在宅歯科医療委員会

[SY1-3] 歯科訪問診療における各療養場所、各病期での連携症例

○坂井 謙介1 (1. 医療法人隼和会 坂井歯科医院)

【略歴】
1998年 長崎大学歯学部卒業。
2003年 名古屋大学医学部大学院卒業 医学博士。 名古屋大学医学部口腔外科、愛知県がんセンター中央病院、名古屋市総合リハビリテー ションセンターでの勤務を経つつ2005年 坂井歯科医院院長。 老年歯科医学会認定医、障害者歯科学会認定医、口腔ケア学会指導医、摂食嚥下リハビリテーション学会認定士などを持つ。がん患者の口腔ケア、高齢者や障害者の診療や訪問歯科診療にも力を入れる。地元ではいりなか商店街発展会 会長として地域医療を実践している。
【抄録(Abstract)】
 歯科訪問診療は歯科のない病院、施設、在宅と場所を選ばず患者さんに対応できるのが強みである。実際、歯科のある病院は全体の2割程度に過ぎず、急性期、回復期、維持期を問わず訪問歯科診療で対応しなければならず、シームレスな連携は患者さんの回復や体調維持の観点からも非常に重要である。
 歯科訪問診療はその採算性やリスク回避の観点から維持期を中心に施設や在宅を中心に拡大しているのが現状であろう。いずれの場所においても診療を行う際のリスク管理は歯科医療従事者のリスク回避の技量のみならず、他職種との連携による情報収集や対応が重要である。また、病院から病院、施設、在宅の間でのシームレスな連携が緊密に取られていれば、そのリスクも軽減され、患者さんやその家族、関係者とのコミュニケーションも良い方向に行きやすい。
 一方で、病院歯科等と歯科訪問診療との連携が緊密に取れているケースにはばらつきがあると考えられる。すなわち、医院の仕組みや歯科医師の対応に大きく左右される。その情報から診療内容も変化するし、無駄なレントゲン撮影や検査も避けることもできる。
 今回、当院でのさまざまなフェーズでの連携について、症例を供覧したいと思う。特に病院歯科との連携を意識しながら、多職種連携の必要性と、効果を議論する題材としたい。