[SY6-1] 令和6年度歯科診療報酬改定の概要
~老年歯科領域のポイント~
【略歴】
2000年 東北大学 歯学部 卒業
2006年 東北大学 大学院歯学研究科博士課程 修了
2008年 東北大学 大学院歯学研究科加齢歯科学分野 助教
2011年 厚生労働省入省
2015年 厚生労働省 保険局医療課 課長補佐
2018年 厚生労働省 医政局歯科保健課 課長補佐
2021年 厚生労働省 医政局歯科保健課歯科口腔保健推進室 室長
2023年 厚生労働省 保険局医療課 歯科医療管理官
現在に至る
2000年 東北大学 歯学部 卒業
2006年 東北大学 大学院歯学研究科博士課程 修了
2008年 東北大学 大学院歯学研究科加齢歯科学分野 助教
2011年 厚生労働省入省
2015年 厚生労働省 保険局医療課 課長補佐
2018年 厚生労働省 医政局歯科保健課 課長補佐
2021年 厚生労働省 医政局歯科保健課歯科口腔保健推進室 室長
2023年 厚生労働省 保険局医療課 歯科医療管理官
現在に至る
【抄録(Abstract)】
令和6年度診療報酬改定は、6年に一度の診療報酬、介護報酬及び障害福祉サービス等報酬の同時改定というだけではなく、いわゆる団塊の世代が全て75歳以上の高齢者となる2025年を翌年に迎える重要な節目の改定となった。ポスト2025年のあるべき医療・介護の提供体制を見据え、医療と介護の役割分担と切れ目のない連携を着実に進めることが求められるとともに、現下の物価高騰の状況、30年ぶりの高水準となる賃上げの状況などといった経済社会情勢は、医療分野におけるサービス提供や人材確保にも大きな影響を与える状況となっており、これらに対する対応も重要な課題となった。
こうした中、(1)現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進、(2)ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進、(3)安心・安全で質の高い医療の推進、(4)効率化・適正化を通じた医療保険制度の安全性・持続可能性の向上を基本的視点として改定が行われた。老年歯科領域に大きく関わる内容として、初めて(2)に「リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進」が明記され、医科歯科とも今改定の大きなテーマの一つとなった。
リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の連携の推進について、歯科では回復期リハビリテーション病棟等に入院する患者に対する歯科医師・歯科衛生士による回復期等口腔機能管理に関する評価を新設するとともに、医科では回復期リハビリテーション病棟入院料1,2の施設基準に口腔管理を行うために必要な体制整備を行うことが記載された。医科点数表の診療報酬項目の施設基準に口腔管理に関する内容が入ったのは初めてのことである。その他にも、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理を一体的に行うことが含まれる項目が医科点数表に新設されており、歯科としても確実に対応していくことが求められる。一方で歯科標榜のない病院も多く、地域の歯科診療所が歯科訪問診療で対応することが必要であることから、在宅歯科医療における地域連携の推進も重要な課題であり、今改定において対応を行ったところである。
本シンポジウムでは、これらを含め、令和6年度歯科診療報酬改定の中から、特に本学会の先生方が多く関わるであろう内容を中心に説明させていただく。
令和6年度診療報酬改定は、6年に一度の診療報酬、介護報酬及び障害福祉サービス等報酬の同時改定というだけではなく、いわゆる団塊の世代が全て75歳以上の高齢者となる2025年を翌年に迎える重要な節目の改定となった。ポスト2025年のあるべき医療・介護の提供体制を見据え、医療と介護の役割分担と切れ目のない連携を着実に進めることが求められるとともに、現下の物価高騰の状況、30年ぶりの高水準となる賃上げの状況などといった経済社会情勢は、医療分野におけるサービス提供や人材確保にも大きな影響を与える状況となっており、これらに対する対応も重要な課題となった。
こうした中、(1)現下の雇用情勢も踏まえた人材確保・働き方改革等の推進、(2)ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進、(3)安心・安全で質の高い医療の推進、(4)効率化・適正化を通じた医療保険制度の安全性・持続可能性の向上を基本的視点として改定が行われた。老年歯科領域に大きく関わる内容として、初めて(2)に「リハビリテーション、栄養管理及び口腔管理の連携・推進」が明記され、医科歯科とも今改定の大きなテーマの一つとなった。
リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の連携の推進について、歯科では回復期リハビリテーション病棟等に入院する患者に対する歯科医師・歯科衛生士による回復期等口腔機能管理に関する評価を新設するとともに、医科では回復期リハビリテーション病棟入院料1,2の施設基準に口腔管理を行うために必要な体制整備を行うことが記載された。医科点数表の診療報酬項目の施設基準に口腔管理に関する内容が入ったのは初めてのことである。その他にも、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理を一体的に行うことが含まれる項目が医科点数表に新設されており、歯科としても確実に対応していくことが求められる。一方で歯科標榜のない病院も多く、地域の歯科診療所が歯科訪問診療で対応することが必要であることから、在宅歯科医療における地域連携の推進も重要な課題であり、今改定において対応を行ったところである。
本シンポジウムでは、これらを含め、令和6年度歯科診療報酬改定の中から、特に本学会の先生方が多く関わるであろう内容を中心に説明させていただく。