特別講演(溶融塩)
第52回溶融塩化学討論会 特別講演
2020年11月26日(木)15:30-16:30
「高活性・高耐久性白金コアシェル触媒の開発」
同志社大学 理工学部
同志社大学 理工学部
教授 稲 葉 稔 氏、 教授 大 門 英 夫 氏
固体高分子形燃料電池触媒に用いられる白金は極めて高価な貴金属であり、FCVの本格的普及の大きな障害になることが予想される。これまでFCV用PEFCに使用されるPt触媒量を当初より1/10(0.1 g/kW)に削減することを目的として、異種金属とのコアシェル触媒として高活性Pt/Pd/Cコアシェル触媒の開発を行い、白金シェルの「内側」と「外側」の両面からの高活性化、高耐久化に向けた新コンセプトの検討を進めてきた。本講演では活性と安定性のバランスに優れたPdコアを用いるPt/Pd/C触媒について、さらなる高活性化を狙った触媒合成方法の開発およびMEA試験結果を報告する。また、Pt/Pd/Cコアシェル触媒と有機物(メラミン)表面修飾を組み合わせた高活性化についても報告する。
2020年11月26日(木)16:30-17:30
「化学反応・分子ダイナミクスからみたイオン液体の不均一構造」
同志社大学 理工学部
教授 木 村 佳 文 氏
常温において液体状態で存在する塩であるイオン液体はアニオン、カチオンの化学構造を様々にデザインすることで、液体の流動性を保ちながら、特異な機能をもった流体構造を実現することが可能である。特に極性部位と非極性の部位が混在した不均一な構造ができることがイオン液体の大きな特徴の一つとなっており、これがイオン液体中の分子のダイナミクスや溶媒和に大きな影響を与える。本講演では、このイオン液体の不均一構造について、光化学反応に関する話題を中心に、ミクロスコピックな観点から検討した研究について紹介する。