特別講演・受賞講演(電解科学技術)
特別講演、受賞講演
2020年11 月30 日(月)13:45-14:30
工業電解奨励賞受賞
「再生可能エネルギー利用を目指した新規電解プロセスの研究」
ENEOS株式会社 中央技術研究所
担当マネージャー 松 岡 孝 司 氏
担当マネージャー 松 岡 孝 司 氏
近年、太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーの発電コストは、技術の進歩、発電や生産規模の拡大、建設コストの抑制等により大幅な低下が進んでいる。しかし、再生可能エネルギー適地は地球規模で偏在しているだけでなく、時間、季節等による変動要因も大きい。そのため、これらのエネルギーを水素や水素キャリアに変換、固定化し、貯蔵・輸送する取り組みが進んでいる。その中で、水素キャリアの1つであるトルエン(TL)-メチルシクロヘキサン(MCH)系に注目し、現在進めている研究開発について紹介する。
2020年11 月30 日(月)14:30-15:30
工業電解業績賞受賞
「光機能物質に基づく光電気化学プロセス」
静岡大学
元教授 前 田 康 久 氏
元教授 前 田 康 久 氏
各種半導体を光機能物質として利用するには、バンドギャップに加え、価電子帯の上端、伝導帯の下端のエネルギー位置、フラットバンド電位およびキャリヤー密度等の半導体特性を把握することが必要である。これまでは太陽光の有効利用を目的として電気化学的手法により作製した二酸化チタン、酸化亜鉛、ヘマタイト、酸化銅等を用い、その光電気化学プロセスを明らかにしてきた。ここでは、主に紫外光照射下の二酸化チタンおよび可視光照射下のヘマタイトの光電気化学プロセスについて紹介する。
2020年11 月30 日(月)15:40-16:40
「ダイヤモンド電極でのCO2還元による有用物質生成」
慶応義塾大学
教授 栄 長 泰 明 氏
教授 栄 長 泰 明 氏
ホウ素を高濃度にドープした導電性ダイヤモンド薄膜(ダイヤモンド電極)は、優れた電気化学特性をもち、この数年来、ユニークな電極材料として期待されている。地球環境・エネルギー問題に鑑み、豊富な炭素資源であるCO2の有効利用に関する注目が高まる中、耐久性も含めた優れた電気化学特性をもつダイヤモンド電極をCO2還元による有用物質生成用の電極として利用する試みの最近の展開について紹介する。
2020年11 月30 日(月)16:40-17:40
2020年11 月30 日(月)16:40-17:40
「化学プロセスを意識した新規電極触媒開発とSPE電解合成反応」
東京工業大学
教授 山 中 一 郎 氏
教授 山 中 一 郎 氏
ポテンシャルの高い電解合成法であるが、物作りの化学工業では、未だ固体触媒が主流となっている。その中で、固体触媒作用を意識した電極触媒を開発し、化学工業の観点から価値ある反応や高難度の反応の実現を目指し、研究を展開している。このような視点から燃料電池反応(触媒反応)による化学品合成や、水と電気を還元剤、酸化剤とした化学品の電解合成について紹介する。