第14回 日本抗加齢医学会総会

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プレシンポジウム

プレシンポジウム2

実老化を予測する ─臓器年齢を統合し実年齢を評価する─

Fri. Jun 6, 2014 9:00 AM - 10:30 AM 第3会場 (1003 10F)

座長:中神啓徳(大阪大学大学院連合小児発達学研究科健康発達医学), 茂木正樹(愛媛大学大学院医学系研究科分子心血管生物・薬理学)

【座長の言葉】
実年齢とは辞書的な意味としては、実際の生年月日に基づく年齢であるが、医学的視点に立てば、各臓器の加齢による変化を統合した“個体の実際の生物学的な推定年齢”を実年齢として知りたい。この医学的な“実年齢”が予測できるならば、医療者としては、きめ細かい疾病予防や適切な抗老化治療に繋げることができ、テーラーメード医療に大きく貢献するものと思われる。患者にとっても、生活習慣病の改善に向けたモチベーションの向上や健康管理に対する具体的な指標となるであろう。昨今、個々の臓器において、構造的・機能的な変化などの年齢平均値を用いて、血管年齢や肺年齢などの臓器年齢が算出され診療や健診等で活用されている。そうした各臓器年齢をまとめて評価し、医学的な“実年齢”を評価することができないだろうか?そのためには全身病の元となる心血管の臓器年齢について知る必要があり、また老化に深く関わるホルモンの影響に注目する必要であろう。さらに、見た目が老化度を表すのであれば、見た目が実年齢を推定する簡便な方法になるかもしれない。さらに簡潔に老化のバイオマーカーが測定できるのかについても触れたい。人により老化を規定する要素は様々であり、個人の実際の老化の程度(“実老化”)をどう判断するかについては様々な議論があろうが、本シンポジウムでは、実老化を知るために各分野からの講演を基にして、医学的な“実年齢”を知り、総合的抗老化治療に繋げるアプローチについて考えたい。