第14回 日本抗加齢医学会総会

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シンポジウム

シンポジウム5

幹細胞は心不全を救えるのか?

Fri. Jun 6, 2014 2:50 PM - 4:20 PM 第7会場 (1009 10F)

座長:谷山義明(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学), 王英正(岡山大学病院新医療研究開発センター)

【座長の言葉】
心不全への再生医療は十数年来から注目され研究開発が進められてきた。中でも骨髄幹細胞をはじめとした体組織由来幹細胞は、これまでに2500人以上の心不全症例に対し登録実施され、安全性に加え細胞治療の有効性が示唆されている。近年では幹細胞移植法に関する技術上の進歩により、より治療有効性が高いと思われる3次元レベルでの細胞導入法や臓器移植を目指した心臓の立体的再構築の研究も進んでいる。一方、細胞治療の根幹には移植する細胞の本質的なポテンシャルが重要な鍵を握っており、多くの基礎研究から、心臓内に存在する内在性幹細胞が最も心血管系細胞に分化する体性幹細胞であると認識されてきた。心臓内幹細胞は、加齢とともに細胞の存在数や機能性が低下し、急性虚血などによるストレス環境下では細胞間コミュニケーションを介したエクソソーム複合体やエンドクライン/パラクライン作用による自己修復能への関与も明らかにされてきた。さらに、iPS細胞の樹立技術の発見から、分化した体細胞を初期化できる新たな細胞生物学的概念が生まれ、再プログラム化することによる人工的な心血管細胞誘導法に関する研究が最近大きな脚光を浴びている。これらの新たな取り組みは、細胞を用いないより安定した次世代再生医療法の開発を意識した手法である。本シンポジウムでは、このような様々な見地から、革新的な再生医療法の開発を進めている諸先生方に、最近の心不全に対する再生医療研究のupdateについてご講演をお願いしたい。