○長崎幸夫1,2,3 (1.筑波大学物質工学, 2.筑波大学フロンティア医科学, 3.物質・材料研究機構、マテリアルナノアーキテクトニクス研究拠点)
Session information
シンポジウム
シンポジウム20
抗酸化研究はどこまで進んできたのか?抗酸化の今を知りたい人は集まれ!
Sat. Jun 7, 2014 1:00 PM - 2:30 PM 第8会場 (1008 10F)
座長:李昌一(神奈川歯科大学大学院横須賀・湘南地域災害医療歯科学研究センター), 長崎幸夫(筑波大学物質工学)
【座長の言葉】
フリーラジカル、活性酸素種(Reactive Oxygen Species; ROS)による生体分子の酸化に起因する生体膜の損傷、蛋白質および核酸の変性などの原因となる酸化ストレス(Oxidative Stress)は糖尿病、動脈硬化、高血圧症などの生活習慣病だけではなく、脳梗塞、認知症、神経変性疾患、病的な加齢の原因として知られています。したがって、これら疾患の予防あるいは発症を防ぐためには酸化ストレスを消去し、無毒化する抗酸化能を有する薬物・食品・サプリメントによる健康維持、疾患リスクの軽減、あるいは予防に対する効能が期待され、日本抗加齢医学会でも酸化ストレスが病的な加齢の主要な原因であることから、これを防ぐ機能性として抗酸化能が注目されています。このような状況で抗酸化能の臨床応用研究がどこまで進んでいるのか、まずは、正常なROSの産生を妨げず、過剰に産生するROSを選択的に消去するため、高度に機能的なナノメディシンを利用したアップデートな研究成果を長崎先生から話して頂き、梁先生からは日本で約 3000 万人の潜在患者がいるといわれるドライマウス(口腔乾燥症)に対する抗酸化物質の効果について、豊富なアンチエイジング外来での経験も含めて紹介して頂きます。また、李先生からは電子スピン共鳴 (ESR)法を中心とした抗酸化機能の基準化に向けた抗酸化能評価法の現状と最前線に向けた取り組みについて紹介して頂き、最後に、内藤先生から抗酸化物質の臨床応用研究として抗酸化酵素ヘムオキシゲナーゼ1に着目した最近の研究と関連する本来生体の有する抗酸化ストレス応答を巧みに利用したアンチエイジング研究の最前線について紹介して頂く予定です。
○梁洪淵 (鶴見大学歯学部病理学講座)
○李昌一 (神奈川歯科大学大学院横須賀・湘南地域災害医療歯科学研究センター・ESR研究室)
○内藤裕二1, 吉川敏一2 (1.京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学, 2.京都府立医科大学)