第14回 日本抗加齢医学会総会

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シンポジウム

シンポジウム24

10歳若返るホルモン力

Sat. Jun 7, 2014 2:40 PM - 4:10 PM 第10会場 (1006+1007 10F)

座長:高見博(帝京大学医学部名誉・客員教授/伊藤病院), 柳瀬敏彦(福岡大学医学部内分泌糖尿病内科)

【座長の言葉】
ホルモンは正常環境では、フィードバック調節により一定のホルモン値に維持され、生体の恒常性維持に寄与しているが、加齢に伴い、減少し、老化減少と関連するものがある。エストロゲン分泌低下に伴う女性更年期やGH-IGF1系、テストステロン(T)の漸減変動が代表的である。これらのホルモン減少は中高年以降のメタボや糖尿病の発症・進展、骨密度の低下、健康感の障害や認知能の低下等への関与が示唆されている。保険診療として補充療法が認められているのは女性更年期のホルモン補充療法、男子性腺機能低下症に対するT療法と重症型成人GH欠損症に対するGHのみである。アンチエイジングを目的とする補充は、現時点では研究医療もしくは自己責任下での代替医療である。一方で、GHのように運動などの自助努力によってある程度の上昇が可能なホルモンもある。GH-IGF-1系の活性化手段としては、胃から分泌されるGH分泌促進ホルモンのグレリンも一役を担う。TSHのみが高値の潜在性甲状腺機能低下症は、2-10%の頻度で高齢者を中心に認められ、脂質異常症や動脈硬化症、認知症の危険因子としての議論もあり、アンチエイジングの観点からも見過ごせない。Tは近年、心理、社会行動との関連からも、興味深い知見が集積されつつある。本シンポジウムでは、以上の背景や動向を踏まえて、10歳若返るためのホルモン力の活用について、この分野にご造詣の深い先生方にご解説いただく。