第14回 日本抗加齢医学会総会

セッション情報

シンポジウム

シンポジウム25

骨粗鬆症診療における各種評価法の進歩

2014年6月8日(日) 10:40 〜 12:10 第2会場 (小ホール 5F)

座長:太田博明(国際医療福祉大学臨床医学研究センター/山王メディカルセンター・女性医療センター), 福永仁夫(川崎医科大学学長)

【座長の言葉】
骨粗鬆症の定義は1994年にWHOが「低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし、骨の脆弱性が増大し、骨折の危険性が増大する疾患である」と、病的疾患であることを明記した。その診断は骨密度値と骨折発生率との関連から、骨密度値がTスコアで-2.5SD以下を骨粗鬆症とした。一方、わが国の原発性骨粗鬆症の診断基準(2000年度版)では、若年成人平均値の70%未満の骨密度、ないしは椎体骨折があれば80%未満で骨粗鬆症と診断され、WHOとは異なり、骨折に重きを置く独自の診断基準にて診断してきた。椎体骨折と大腿骨骨折の両者は他の脆弱性骨折種と新規骨折率が異なることから、2012年度改訂版からはこの2つの骨折があれば骨密度測定をすることなく診断が可能となった。さらに同年度の「椎体骨折評価基準」により、椎体骨折の判定にQM法(定量的評価法)に加えてSQ法(半定量的評価法)も採用され、より簡便になった。
一方、1999年から骨代謝マーカーはわが国で保険適応となったが、薬剤選択と治療効果の判定に限られており、診断に用いることはできない。また2012年版からは骨代謝を反映する骨代謝マーカーと骨質を反映する骨質関連マーカーとに2分し、後者としてビタミンKの充足を判定するucOCが初めて位置付けられた。
以上、骨粗鬆症診療の3種の神器ともいうべき各種評価法は直近の2、3年間に著しい進展があるので、専門学会を代表する各分野のエキスパートに概説いただく。