○井上悠輔 (東京大学医科学研究所公共政策研究分野)
セッション情報
ワークショップ
ワークショップ2
利益相反と臨床研究
2014年6月7日(土) 10:40 〜 11:40 第11会場 (1101+1102 11F)
座長:若林剛(岩手医科大学外科学), 大慈弥裕之(福岡大学医学部形成外科学)
【座長の言葉】
最近、いくつかの研究不正が医学研究、特に臨床研究において大きく取り上げられている。研究不正は研究者の倫理が問われる重要な問題であるが、研究者の利益と社会の利益の間に存在する利益相反との見方も出来る。厚生労働省が定めた「臨床研究に関する倫理指針」でも利益相反は重要な案件として明示され、その管理については、「利益相反ワーキング・グループ報告書」、「臨床研究の利益相反ポリシー策定に関するガイドライン」、「厚生労働科学研究における利益相反の管理に関する指針」に留意することとされている。さらに「臨床研究に関する倫理指針」の前文には、「医療の進歩は、最終的には臨床研究に依存せざるを得ない場合が多いが、臨床研究においては、被験者の福利に対する配慮が科学的及び社会的利益よりも優先されなければならない。」と明記されている。
臨床研究において最も優先されるべきは、被験者(患者)の福利に対する配慮(保護)であり、近年、「透明性ガイドライン」(日本製薬工業協会)、「COIマネージメントガイドライン」(全国医学部長病院長会議)、「医学研究のCOIマネージメントに関するガイドライン」(日本医学会)等が策定された。本ワークショップでは、この領域の専門家お2人に、利益相反の意義と今後の課題を分かりやすく解説して頂く。
臨床研究に関わる医療者多数の参加をお願いしたい。
○平井昭光 (レックスウェル法律特許事務所弁護士・弁理士)