第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

指定演題

指定演題2
CNSが介入に難渋した事例

2018年7月1日(日) 09:05 〜 10:05 第4会場 (2階 福寿)

座長:松本 幸枝(公益財団法人日本心臓血圧研究振興会附属 榊原記念病院 看護管理室), 座長:冨岡 小百合(大阪府立中河内救命救急センター 看護部)

[指定2-4] 重症肺炎患者のECMO離脱にむけた看護介入の支援

村上 香織 (近畿大学医学部附属病院 救命救急センター)

クリティカルケア領域では重症な疾病や外傷による過大な侵襲から生体機能に障害をきたしている患者が多い。患者の状態は変化しやすく、わずかな刺激でもその刺激が生体に影響を及ぼし、治療や患者の予後に左右することもある。また、患者は多くのデバイスや生命維持装置に囲まれ、非日常的な環境下での生活を余儀なくされ身体・精神的に危機的状態の中大きなストレスを受けている。クリティカルケア領域の看護師には、このような患者の状態を常に観察し、生体侵襲を配慮しながら安全で効果的な看護を提供することが求められている。患者の状態を観察し生体情報を中心とした患者情報を集約しアセスメントを行い、看護問題を抽出する。そして、問題解決のための看護計画を立案し実践・評価を行う中、自身の価値観で看護ケアを実践し、治療の停滞や看護ケア効果がみられず様々なジレンマや不安を抱えることがある。
今回、ECMOが導入された重症肺炎患者のECMO離脱に向け看護ケアを提供する中で、患者の治療が停滞し医師との間でジレンマが生じた看護師に関わった。担当看護師は、治療効果がみられない患者の様々な生体反応や治療・看護ケア介入の効果を整理し、患者の状態改善や増悪予防のために必要なケアを考え実践を試みようとしたが、医師との意見の相違からジレンマが生じた。またジレンマが生じる中、デバイス類のトラブルから患者の状態が変化し、その変化に過剰な責任を感じた看護師は自身のケアに不安を覚え、罪悪感や不全感を引き起こした。ジレンマや不全感を抱えた看護師へ関わりながら、重症肺炎患者のECMO離脱に向けた看護介入を支援した症例を振り返り、ジレンマや不全感を解くことに繋がった実践を考察する。